さて、今回落札した未読の
「週漫」掲載のゲンさんは、4号の間に、大掛かりな談合の行方から、ゲンさんと慶子さんの2人が結婚するまでの激動のストーリーが描かれていました(10月28日号が談合を巡る前中後編の後編なのは判っていたが、11月4日号にも話が続いているとは思いませんでした)。
各話の詳しい内容については、近いうちに本サイトのコンテンツ
「五友爆破株式会社 活動記録集」に粗筋や感想をアップする予定ですが(データ部分は、今週号のゲンさんを読んだ後、第201~210話までの作品データと共にアップします)、その前に、この場を借りて今回読んだゲンさんの簡単な内容と感想を書かせていただきます。
第145話「談合の果てに(後編)」暴力団まで関わっている大掛かりな談合を阻止する為に、鶴見君(三友リース時代の慶子さんの後輩で、中編のラストでひき逃げに遭って安否が気遣われていたが、この回で無事が確認された)と共に談合関係者を呼び出し、彼等の前で熱弁を振るうゲンさんに胸が熱くなった。
ゲンさんは、大企業による談合の煽りを受けて赤字に苦しんだり倒産した下請け業者を嫌というほど見ている上に、自らが関わる土木建築業という仕事に誇りを持っているからこそ談合が許せないのだという信念が、読んでいて強く伝わった。
だが、ゲンさんの訴えが談合関係者の心を動かしそうになった矢先に、暴力団との繋がりがある建設会社の手の者に腹を刺されてしまう(!)。
このエピソードは、談合が阻止された所で終わるのだろうと思っていたので、まさかこんな展開になるとは夢にも思わず、唖然としてしまった。
第146話「天国と地獄」そして出血多量で生死の境をさまようゲンさん。
意識を失う前に、慶子さんにようやくはっきりとした自分の想いを伝え、彼女もその想いを受け止めた。
自分がゲンさんを
「週漫」の連載で読み始めた時には、既に2人は結婚した後だったので、2人が結ばれるまでに、色々な出来事や交錯する想いがあったのだな、と改めて感じた。
第147話「両親へのあいさつ」ようやく互いの両親に結婚の報告とあいさつをする事になった2人。だけど、ゲンさんのご両親は既に亡くなられていた(
第203話「沈む集落(後編)」で触れられていたので知っていたが、詳しい事情を読んだのは初めて)。
今まで自分がこの作品を読んだ中で、ゲンさんの過去について触れられていたエピソード自体が少ない上に、ゲンさんが自らの過去を語る事が殆どなかったので(思い出せるのは、ジョージ富田との因縁について語った
第31~33話「高層建築物爆破」の時くらいか)、両親の死に目にも会えず、何の親孝行も出来なかった、と自らを責めるように哀しい眼で語るゲンさんの姿に胸が痛んだ。
ただ1つ気になったのは、ゲンさんが爆破解体という技術を知ったのは、10年前に渡米した後の筈(
第14話「ゲンの壁」によると)だが、今回のゲンさんの台詞では10年以上前に両親の事故の知らせを受けたのが、ドイツへ爆破解体の修行に行っていた時の事になっている。
登場人物がリアルタイムに歳をとっている作品なら不都合はないが、本作は登場人物が歳をとらない作品なので、過去のエピソードと照らし合わせると、細かい設定のズレが気になってしまった(我ながら、作家に嫌われそうなヤな読者だなぁ……)。
第148話「みんなの結婚式」この回は巻頭カラー(と表紙にもちゃんと書いてある)。なのに、何故か読もうとした時に本誌の真ん中近辺を探し廻っていた自分がいた(ここ数回のゲンさんの掲載位置がこのあたりだから、つい癖で……)。
前回のサブストーリーだった、光が進めていたゲンさん達の結婚式の計画が見事に実を結び、解体屋(こわしや)らしい素敵な結婚式が行われた。
本当に皆楽しそうで、暖かい雰囲気の中で結婚式が行われて、読んでいるこちらも暖かい気持ちになった(一番気に入ったのは、慶子さんのお色直し中の余興として行われた、職人達とゲンさんの丸太早切り競争。勿論ゲンさんの優勝)。
冒頭のカラーページと終盤の2回もゲンさん夫婦のキスシーンがあったのに驚いた(前者は夢の場面だけど、2人ともこういう点では奥手だと思っていたから)。
……と、今回の4話は、どのエピソードも内容の濃い読み応えのあるものでした。
特に、ゲンさんと慶子さんの結婚までのエピソードを雑誌で読めて幸せです(上にもある通り、結婚式の回は巻頭カラーだからね)。
また未読の号が入手出来る日を願いつつ、これで今回の
「『解体屋(こわしや)ゲン』全話読破プロジェクト」ヤフオクルートの最新報告は終わります。
今週末のゲンさん感想と
「五友爆破株式会社 活動記録集」更新もお楽しみに。
それでは。
Close.△