2009.02.06.Fri / 20:19 
ついこの前(と言っても去年の話ですが)に復活宣言をしたと思ったらまた滞ってしまったゲンさん(『解体屋(こわしや)ゲン』)感想ですが、久し振りに発売日に読んだら驚くべき内容だったので、久し振りに感想をアップさせていただきます(今回から当分の間、掲載誌の誌名を記事タイトルから外す事にしました)。

それでは、「驚くべき内容」が何なのか知りたい方は「▽Open more.」を開いて下さい。

kowashiya-gen_winter-ades_R.jpg
↑今年は暖冬傾向なのであまり気分は出ませんが、「ゲンさんと雪だるま」のイラストをアドエスのToday画面用に加工したので、一応アップします。

『解体屋ゲン』
第312話「明日への希望」

(ストーリー)

ある日の午後、ゲンさんとヒデはマンション屋上で塗装作業を行っているが、前日に水道の突貫工事があった上に今日は朝から解体現場で働いて疲れているヒデは、つい愚痴をこぼしてしまう。
そんなヒデにゲンさんは、愚痴をこぼすと運が逃げるらしいぞと言うが、屋上にやって来て急な塗装作業を依頼した事を詫びるジョージ富田に仕事が貰えるだけありがたいと言ったら、ジョージにそれなら遠慮なくこき使ってやるかと返されて腹を立て、先刻ヒデに言った言葉も忘れてつい愚痴をこぼしてしまう。

そこに知り合いの業者から、工事の応援に来て欲しいとゲンさんのケータイに着信が入る。
先方によると、先日水道工事をした場所で新人がトラックをぶつけてしまい水道管が破裂してしまったらしく、それを聴いたゲンさんは、塗装作業を終えたら現場に向かうから事務所に連絡するようにヒデに言うが、光に今日は早く帰ると約束していたヒデは気が進まない様子だ。

一方、五友爆破の事務所では、光が慶子さんと有華に妊娠の報告をしていた。
慶子さんは、今夜ヒデに打ち明けるつもりだったのに彼が残業で帰れなくなった事を知ってがっかりする光に、良かったら家に来て皆で待っていようと提案する。

そしてヒデと共に依頼のあった現場に到着したゲンさんは、自分たちが埋めた場所が事故現場だと知り、また一からやり直すのかと言う。
仕方なくヒデは水浸しになっている現場に足を踏み込むが、あまりの水の冷たさに、長靴を履いているのにまるで素足で水に入っているみたいだと音を上げる。
それを見ていたゲンさんは、お前はいつも大げさなんだ、こんな物は気合いを入れればいいんだとばかりに足を踏み込むが、さすがに地下足袋で水の中に入ると冷たさが堪えるようで、ヒデ以上に寒さが身に染みた顔になる。
だがゲンさんは、それ見た事かという顔で自分を見ているヒデに、こうなったら自棄だ、体を動かしていればそのうち暖まるだろうからさっさと終わりにするぞと言って作業を始める。

ゲンさんとヒデが作業をしている頃、朝倉家では光が、妊娠中は自分が働けなくなる上に仕事も何時まであるか分からない事への不安と、妊娠を打ち明けた時にヒデが喜んでくれるかどうか分からないという不安を口にする。
慶子さんは、何時になく気弱な光に、自分も妊娠中は不安でたまらなかった事や、ストレスが溜まった時の解消法として車を走らせながら大声で叫ぶことがあることを話し、光と付き合い始めてからのヒデは凄く頼もしくなったから大丈夫、きっと妊娠を喜んでくれる筈だと励ます。

また工事現場に場面は戻り、ゲンさんをはじめとする作業員達は黙々と復旧作業に追われている。
そこに現場監督(ゲンさんに応援を頼んだ業者)が事故を起こした若い作業員を連れて現れ、こいつのせいで徹夜作業をさせてすまないと言いながら若い作業員の頭を押さえつけて謝って廻らせている。
現場監督は、自分のしでかした事故の影響の大きさに萎縮している若い作業員の謝る声が小さいと謝罪をやり直させ、半泣きになって口ごもる彼の頭をこれ見よがしに殴り付けるが、そんな監督の姿を見たゲンさんは、もういいじゃないかと止めるように言う。
そしてヒデは、その作業員も悪気があって事故を起こした訳じゃないだろう、だからさっさと作業を終わらせようと現場監督に言い、それでもまだ何か言おうとする監督に、終わった事を何時まで言っても仕方ないだろう、こっちだって早く終わらせたいのだから謝って廻る暇があるなら作業をしようと言う。

現場監督はようやく引き下がり、ヒデは若い作業員にスコップを手渡すと、失敗なんて誰にでもある、反省はしてもクヨクヨするな、仕事の失敗は仕事で取り返せばいいと励ますように言い、若い作業員は、彼の言葉に心を打たれた表情で応え作業を始める。
ゲンさんは、立派に成長したヒデの姿を見て何かを言い掛けるが、その言葉の続きは心に留め、力強く作業を続ける。

ようやく深夜に作業が終わり、泥んこになったゲンさんとヒデは朝倉家へと向かうが、アパートの門の前に慶子さん、光、有華の三人が立っているのに気付く。
思い詰めたような表情の光は、慶子さんと有華が、近所に聞こえるけど本当にやるつもりかと止めようとする言葉に、この不安を追い払いたいからやると答え、アパートに近付いて来たヒデに向かって、私達の赤ちゃんが出来たと叫ぶ。

それを聴いたヒデは、一瞬何の事か気付かず戸惑うが、ようやく光の言葉を理解して彼女の元に歩み寄る。
そしてヒデは、不安そうに彼を見る光の手を力強く握ると、俺は頑張って立派な父親になってみせる、ゲンさんにだって負けないくらい強い父親になると言い、妊娠を喜んでくれるのかと眼に涙を浮かべて言う彼女に、当たり前だろう、今まで生きて来た中で一番嬉しいと笑顔で答える。

ゲンさんは、その言葉に感激して涙を流す光の前で父親になる喜びを噛み締めているヒデに、どんなに疲れていても子供の為ならがんばれるものだ、お前ならきっと良い父親になれると心の中で励ます。


(感想)
正直言って、この間のゲンさん巻頭が変な表紙によって穢された一件以来、ゲンさんの掲載誌と編集部に対して嫌悪感(というか激しい憎悪)が増した事もあり、ここしばらくは発売日当日に買う事もなくなっただけでなく、掲載誌を視界に入れるのが不快で、ゲンさんを読んだら付箋を貼り、速攻整理用の段ボール箱に押し込むようになってしまいました(アンケートとパズル記入の時だけ引っ張り出すけど)。

そして、ここしばらくのゲンさんの内容も個人的に感想をすぐ書きたくなるようなものではなかった為(別に気に入らないという訳ではなく感想を書くモチベーションが上がらなかっただけ)、「もうこのままゲンさん感想をフェードアウトしてしまおうか」と考えるようにまでなっていました。

ですが、久し振りに気まぐれで(と言うより、先週までと変わって「厭な事は早めに済ませよう」と考えたから。誤解のないように説明するがゲンさんを読む事は当然「厭」じゃなく、「厭な事」というのはページ柱などにある変なインクの汚れが眼に入る事)発売日当日に買った今回のエピソードを読んで、久し振りに「感想を書きたい、書かなきゃ」という気持ちが湧き上がり、こうして久し振りに発売日当日の感想アップと相成りました。

ここの所、「もう変に我慢して掲載誌を買う事もないんじゃないか、どんなに応援しても何の見返りもないし、もうこんな雑誌と出版社に金を落とすのは止めたいよ……」とネガティブな事ばかり考えていたけど、やっぱりこれからもゲンさんからは眼が離せないし、もっとゲンさんを読みたいので、これからも我慢して掲載誌を不満と共に買い続ける事に致します。

いやぁ、ゲンさん(や掲載誌)から気持ちが離れそうになると、その度にカウンターパンチが浴びせられて気持ちがシャキッとするのだから、さすがシナリオ担当の星野茂樹先生は読者の心を操る術に長けてらっしゃる(って褒めてるんですよ当然)。


さて、ここからが本題ですが、まだ感想記事未アップ(ってもうすぐ掲載から一年じゃないか)の第262話「爆破テロ(後編)」第263話「愛しい人」での衝撃の告白からずっと、ヒデと光の関係の進展を見守っていたけど、ついに光がおめでた(そしてヒデがパパに)とは、本当に感慨深いです(こちらも感想未アップの第271話『ロクさんの意思(後編)』で、ロクさんが二人の間に生まれてくるのは男の子だと予言めいた事を言っていたけど、その結果も数か月後に判明するのかな……!?)。

慶子さんも作中で言っているように、光と正式に交際を始めてからのヒデはそれまでに比べて頼もしくなりましたが、今回のエピソードでは、自分の所の社員とはいえ事故を起こした若者に執拗に謝罪させようとした現場監督に意見したり(この現場監督の態度に腹が立っていたのでヒデの一言でスカッとした!)、萎縮してしまっている若者を笑顔で励ましたりと、「これが気弱でスケベでお調子者だったヒデなの!?」と驚くような成長振りを見せただけでなく、初めての妊娠で不安になっている光の手を力強く握って、「オレさ がんばって立派な父親になってみせるよ ゲンさんにだって負けないくらい強い父親にさ!」「『それじゃ 喜んでくれるの?』という光に)あたりまえだろ!! 今まで生きてきた中で一番うれしいよ!」と言い切ったのだから、本当に今回のヒデの成長振りには感心しました(でも、水溜りの冷たさに震えたり、ゲンさんが何か言い掛けて止めたのを見て「ひょっとして オレなんか変なこと言った?」なんて言ったり、赤ちゃんが出来たという光の言葉を聴いて何故か「なんだ メシじゃないのか」とガックリしたりする所はいつものヒデらしくて笑ったが)。

こうして今回、ヒデの内面の成長振りを読んでいて、やっぱり自分はゲンさんを読み続けて良かったと思いました。

読んでいる自分はヒデに比べて何も成長出来ないかもしれないけど、少しは彼のように、そしてゲンさんをはじめとする登場人物達のように何かしら変わって行こうと思いました。

今年になって初めて、心から満足するエピソードを読めて(これでページ柱や対面ページに変なインクの汚れが無きゃ最高だったのになあ……まあ、そこまでこの掲載誌の編集部に求めるのは無理か)、星野先生そして作画担当の石井さだよし先生に感謝しています。

本当に、ありがとうございました。


さて、ガラリと話は変わりますが、事故現場の修復工事の助っ人に出掛けたゲンさんが、水溜りに足を踏み入れたヒデが「ヒーッ!水が冷たい! 素足で水に入ってるみたいだ」と言うのを見て「おまえはいつも大げさなんだよ こんなもん気合いを入れりゃ…」と水溜りにジャブジャブと足を踏み入れたら、あまりの冷たさに青ざめた顔で鼻水垂らして「くう~っ! 冷てえじゃねえか!」と言ってヒデに「ほらね」と呆れたような顔で返され、「くくく…………」と下を向く場面は、「そりゃあ真冬の水溜りに地下足袋で入ったら足が冷たいのは当然でしょう」(私は土木関係の仕事に就いたことがない癖に、ゲンさんを読み始めてから興味を持って地下足袋を買って何度かこっそり履いたので、地下足袋は水に入るのに適さない事を知っている)と笑ったのと同時に、(今年は症状が軽いとはいえ)自分の足のしもやけの事を考えると「冷たい水に入ったらしもやけがどうなる事か……」と足が痒くなって来そうでした。

それとやっぱり、今回冒頭のやり取りを読んでいて思ったが、共同で事業を行っている今でも、ジョージ富田はゲンさんにとって天敵のようですね。

「急な依頼ですまなかったな 明日から天気が崩れそうでな」と言うジョージにゲンさんが「なあに 最近じゃ解体事業の赤字をリフォーム事業で埋めてるんだ 仕事がもらえるだけありがてえよ」と言ったら、事もあろうに「そうか それじゃこれからも遠慮なくこき使ってやるとするか」なんて言って高笑いして去って行くのだから、ホントにジョージは意地が悪い(そりゃあゲンさんも「あの野郎 こっちが下手に出りゃつけ上がりやがって!」「大体あいつがピンチだっつーから手伝ってやってるのに あの態度はねーだろうが…」とぼやくでしょうよ)。

でも裏を返せば、ジョージはそれだけゲンさんの事を信頼しているから急な依頼を安心して任せる事が出来たのだろうし、ゲンさんも口では彼の事を悪く言いながらも、もしかしたら「しょうがねえなあ、あいつはオレがいなきゃ何も出来ねえんだからなあ」なんて思ってまんざら悪い気がしていないかもしれないので、そんな二人の間には、読者には分からない絆のようなものがあるのかもしれませんね(……と思うけど、まさか心底ジョージが意地悪なんて事ありませんよねぇ、星野先生?)。

まあ、何にしても共同事業者なのだから、喧嘩しながらもゲンさんとジョージには良い関係を築いて欲しいと思っています。


それでは最後になりますが、次回のゲンさん第313話「サプライズパーティー」は、予告煽りによるとロクさんが結婚式をしないという(しかも両親への報告もしていないらしい)ヒデと光に激怒する所から話が始まるらしいです。

この予告煽りとサブタイトルだけだと、ゲンさんと慶子さんの結婚までのエピソード(第147話「両親へのあいさつ」第148話「みんなの結婚式」)のような感じになるのかと思ってしまいますが、どうなるかは来週のお楽しみという所ですね。


それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに(なるべくサボらないように頑張りますが、あまり期待しないで下さいね……)。
COMMENT TO THIS ENTRY
  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY
プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
好きな数字・7の倍数

飼い猫の「わく」ちゃんです。
イラスト英単語
カレンダー(月別)
09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ(タブ)
ブログ内検索
CopyRight 2006 虹の終わる場所へ~「SUDOYAN'S SPACE」出張所 All rights reserved.