2007.02.25.Sun / 15:35
さて本日は、昨日予告した今週号のゲンさん(「解体屋(こわしや)ゲン」)感想をお送りします。
本当は午前中のうちにアップするつもりでしたが、ストーリー詳細をまとめるのに時間が掛かり、午後になってしまいました。
それでは恒例の「▽Open more.」前のイラストですが、昨日発表した「ゲンさんと雪だるま」完成版を再び御覧下さい。

写真素材提供
「写真素材ドットコム」( http://www.photo-sozai.com/ )
本当は午前中のうちにアップするつもりでしたが、ストーリー詳細をまとめるのに時間が掛かり、午後になってしまいました。
それでは恒例の「▽Open more.」前のイラストですが、昨日発表した「ゲンさんと雪だるま」完成版を再び御覧下さい。

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第212話「曳き家の唄」
(ストーリー)
ゲンさんと共に訪ねて来た秀美から、ロクさんに久し振りの曳き家の依頼が持ち込まれる。
今回の曳き家は、道路の拡張工事に伴い、拡張部分に合わせて家を90センチほど敷地の奥に後退させるというものだが、秀美によると、認知症の妻をよそに預けるのが心配な依頼人の事情により、住人が生活したままの状態で曳き家を行って欲しいと言う事だ。
それを聞いて驚くゲンさんだが、ロクさんは、別に驚くほどの事ではない、曳き家はそもそも住人が生活したまま出来るように考えられているのだ、と言い、その依頼を引き受け、依頼人である家の主人にもその旨を話し、安心させる。
その夜の朝倉家では、夕食の用意をしている慶子さんと、鉄太君にミルクをあげているゲンさんが曳き家について語り合っている。
これからの高齢化社会で曳き家の需要が増えるかもしれない、と言う慶子さんの言葉を受けたゲンさんが、建て替えばかりが能じゃない、大体壊すにはもったいない家を壊し過ぎるんだ、と言うと、慶子さんは解体屋のゲンさんがそんな事を言うなんて、とつい噴き出してしまう。だが、ゲンさんはそれとこれとは話が別だ、と言い、もっと木造建築が見直される世の中になるといいのにな、と鉄太君に語り掛ける。
それから1ヶ月後、すっかり曳き家の段取りが整い、ロクさんは、曳き家が終わるまでの生活に必要な電気や水道、ガスの供給などについて、家の主人に説明する。その後、今回の曳き家を制御するコンピュータの学習能力についてオペレーターと色々と話していたが、良かったじゃないか、ロクさんが死ぬまでにはこのコンピュータが立派に跡を継いでくれる、と言ったゲンさんの言葉に、ついムキになってしまう。
一夜明けた曳き家の当日。作業開始を前に、ロクさんは感慨深げにこれから曳く家を見つめ、あと何回こうして曳き家が出来るだろうか、と想いに耽る。
そして手を合わせ、曳き家の神様に作業の無事を祈る。
いよいよ、最後の準備が整い、ロクさんの指揮により曳き家が始まる。
家が動き出し、ヒデと光はその壮観さに感心し、ゲンさんとロクさんも、仕事の順調な進行振りに満足げだ。
だが、そこに秀美が慌てた様子で駆け付ける。
血相変えてどうしたのか、と訊くロクさんに、秀美は家の中に来てくれるように言い、ゲンさんとロクさんは家の中に入る。
部屋に入ると、寝ていた筈の依頼人の妻・カオルさんが、起き上がって激しく怯えている。どうやら、家屋の移動中に発せられる家が軋む音が怖いようだ。
何とかならないのか、と言う秀美にロクさんは、木造建築なのだから少しは音がするし、それに軋む事で家のたわみや捻れを逃がしているのだから仕方ない、という意味の事を言う。
だが作業はまだまだ続くのでこのまま放っておく訳にも行かず、困ったロクさんは、ゲンさんに何とかしろ、と言うが、ゲンさんにもどうしていいのか分からない。
皆が困っている間にも、怯えているカオルさんは布団を被って震え出し、落ち着かせようとロクさんが声を掛けると、更に怯えてしまう。
だが、秀美の何気ない一言で、ゲンさんは気を使い過ぎて静かに作業したのがかえって仇になった事に気付き、ロクさんに、「曳き家の唄」を歌って家の軋む音から気をそらす事を思い付く。
そしてロクさんは、まだ怯えているカオルさんに、この家を海を渡る船に見立てて、皆で「曳き家の唄」を歌おう、と言い、一度深呼吸をしたのち、「曳き家の唄」を歌い始める。
気が付くと、曳き家を見物に来た近所の人達も一斉に手拍子を取りながら歌い出し、ようやく落ち着いたカオルさんも、皆と共に手拍子を取りながら歌に加わる。
そして夕方、曳き家の作業は無事終わり、今日のお礼とお詫びをする家の主人に、自分こそ奥さんに怖い思いをさせてしまうなんて大失態だった、と詫びるロクさん。
だが、家の主人は、こんな楽しい思いをしたのは妻も自分も数十年振りだ、と言い、カオルさんがロクさんへのお礼として折った折鶴を手渡す。
ロクさんは、これまでで最高の贈り物だ、と改めて主人にお礼を言う。
(感想)
今回のサブタイトルにもなっている「曳き家の唄」が実在するのかどうか確かめようとGoogle検索してみたけど、それらしいものが引っ掛からなかったので(「唄」を「歌」や「うた」にして検索し直しても結果は同じ)、どうやら星野先生の創作のようですね(あるいはネット上に、この唄に関して記述したウェブページがないだけか)。
でも、そんな事は関係なく、ゲンさんの作品世界の中で昔から歌い継がれている唄という事で納得出来るし、読んでみると味わい深い歌詞(本誌133ページ一面を使って歌詞が掲載されている)と、歌っている皆の楽しそうな表情を見ているうちに、自分も一緒になって歌いたい、と思いました(けど唄の節が分からない……)。
前号最終ページの予告煽りを見た時は不安だったけど、「曳き家の唄」のおかげで、今回は最終的にほのぼのした読後感でした。
そして、読み終えた後良く考えてみたら、今回が、自分が「週漫」を買い始めてから初めてのロクさんの曳き家だという事に気付きました(単行本を除くと、複写サービスで取り寄せた分では、ロクさんが知人の現場を借りたのも含めて確か3度、ヤフオク・ビッダーズでの落札・購入分では1度もなかったと思う)。
単行本第6話(レギュラー連載第2話)「曳き家のロク」で初めて曳き家という技術を知った時、「家をそのまま移動するなんて、そんな凄い事が出来るんだ」と驚くと同時に感心した記憶があるが、やっぱり何度見ても(読んでも)、曳き家というのは凄い、と思う。
中盤の朝倉家の場面で、慶子さんとゲンさんが、「(今回の曳き家について)とてもいいことだと思うわ これから高齢化社会になるとロクさんの曳き家の需要が増えるかも知れないわね」「建て替えばかりが能じゃねえからな だいたい壊すにゃもったいねえ家をパカパカ壊し過ぎるんだよっ」と語り合う場面があるけど、それを読んで、壊す事が当たり前になっている今の世の中の考えから、今ある物を活かす事を優先するように世の中の考えが変化して、これから曳き家のような技術が見直されるといいのにな、と少し思った。
話は変わるが、今回読んでいて、ロクさんが自分に残された時間について考え始めている事が少し気になった。
冒頭の場面では、「この頃な 生きてるうちにあと何回曳き家ができるかってよく考えててな…」「(それを聞いて、辛気くさい事をいうなよ、と言うゲンさんに)いや オイラは真剣だぜ なんせ曳き家の仕事なんて年に一回あるかねえかだ あと三十年生きるとしても三十回しかできねえだろ?(ずっこけるゲンさんと秀美)」というように冗談っぽくオチたので大笑い出来たけど、後半、作業開始を前にして「三十年とはオレもホラ吹いたもんだが この現場を入れてあと何回こうして家を曳けるだろうな………………」と腕組みしながら物思いに耽るロクさんを見て、いつかは来るであろう事を思い、胸が少し痛んだ。
だけどやっぱりロクさんには、これからもずっと元気でいて欲しい。今回のゲンさんは「(オペレーターが操作している、ロクさんの曳き家の技術のデータが蓄積されたパソコンを見ながら)よかったじゃねえか ロクさんが死ぬまでにゃ こいつが立派に後を継いでくれるさ」なんて冗談めかして言っていたけど、ゲンさんは誰よりもロクさんの事を信頼していて、いつまでも元気でいて欲しいと願っている筈だから、これからも、五友爆破の御意見番そして精神的支柱として、元気でいて欲しい。
ちょっと湿っぽくなってしまったので(我ながら、この悲観的な性格を直したいよ……トホホ)、これで最後にするが、今回登場したコンピュータのオペレーターは、第2話(単行本第1巻第6話)「曳き家のロク」に登場した人と同一人物だろうか……?(顔は同じだけど鼻の描き方が違うので同一人物と断定していいのか迷う)
さて次回は、この頃ちょくちょく登場していてすっかりゲンさんファミリーの一員となったゴンが、旨い話を五友爆破に持ち込んで来るらしい。
仕事絡みでは、ゲンさんは過去に何度もゴンに痛い目に遭わされているらしいので(自分が読んだ中ではアスベスト除去作業中のトラブルに巻き込まれた第139話「作業環境」しか思い当たらないが、第177話「ヒデの鉄球解体」でのゲンさんの台詞によると、ゴンが紹介したアルバイトに酷い目に遭わされた事があるらしいし、それ以外にもゴンがゲンさんに迷惑を掛けた事があるかもしれない)、ゲンさんがどう対処するかが気になります(ゴンは割りと好きなキャラなので、あまり邪険にして欲しくない、という気持ちがある)。
それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに。
(ストーリー)
ゲンさんと共に訪ねて来た秀美から、ロクさんに久し振りの曳き家の依頼が持ち込まれる。
今回の曳き家は、道路の拡張工事に伴い、拡張部分に合わせて家を90センチほど敷地の奥に後退させるというものだが、秀美によると、認知症の妻をよそに預けるのが心配な依頼人の事情により、住人が生活したままの状態で曳き家を行って欲しいと言う事だ。
それを聞いて驚くゲンさんだが、ロクさんは、別に驚くほどの事ではない、曳き家はそもそも住人が生活したまま出来るように考えられているのだ、と言い、その依頼を引き受け、依頼人である家の主人にもその旨を話し、安心させる。
その夜の朝倉家では、夕食の用意をしている慶子さんと、鉄太君にミルクをあげているゲンさんが曳き家について語り合っている。
これからの高齢化社会で曳き家の需要が増えるかもしれない、と言う慶子さんの言葉を受けたゲンさんが、建て替えばかりが能じゃない、大体壊すにはもったいない家を壊し過ぎるんだ、と言うと、慶子さんは解体屋のゲンさんがそんな事を言うなんて、とつい噴き出してしまう。だが、ゲンさんはそれとこれとは話が別だ、と言い、もっと木造建築が見直される世の中になるといいのにな、と鉄太君に語り掛ける。
それから1ヶ月後、すっかり曳き家の段取りが整い、ロクさんは、曳き家が終わるまでの生活に必要な電気や水道、ガスの供給などについて、家の主人に説明する。その後、今回の曳き家を制御するコンピュータの学習能力についてオペレーターと色々と話していたが、良かったじゃないか、ロクさんが死ぬまでにはこのコンピュータが立派に跡を継いでくれる、と言ったゲンさんの言葉に、ついムキになってしまう。
一夜明けた曳き家の当日。作業開始を前に、ロクさんは感慨深げにこれから曳く家を見つめ、あと何回こうして曳き家が出来るだろうか、と想いに耽る。
そして手を合わせ、曳き家の神様に作業の無事を祈る。
いよいよ、最後の準備が整い、ロクさんの指揮により曳き家が始まる。
家が動き出し、ヒデと光はその壮観さに感心し、ゲンさんとロクさんも、仕事の順調な進行振りに満足げだ。
だが、そこに秀美が慌てた様子で駆け付ける。
血相変えてどうしたのか、と訊くロクさんに、秀美は家の中に来てくれるように言い、ゲンさんとロクさんは家の中に入る。
部屋に入ると、寝ていた筈の依頼人の妻・カオルさんが、起き上がって激しく怯えている。どうやら、家屋の移動中に発せられる家が軋む音が怖いようだ。
何とかならないのか、と言う秀美にロクさんは、木造建築なのだから少しは音がするし、それに軋む事で家のたわみや捻れを逃がしているのだから仕方ない、という意味の事を言う。
だが作業はまだまだ続くのでこのまま放っておく訳にも行かず、困ったロクさんは、ゲンさんに何とかしろ、と言うが、ゲンさんにもどうしていいのか分からない。
皆が困っている間にも、怯えているカオルさんは布団を被って震え出し、落ち着かせようとロクさんが声を掛けると、更に怯えてしまう。
だが、秀美の何気ない一言で、ゲンさんは気を使い過ぎて静かに作業したのがかえって仇になった事に気付き、ロクさんに、「曳き家の唄」を歌って家の軋む音から気をそらす事を思い付く。
そしてロクさんは、まだ怯えているカオルさんに、この家を海を渡る船に見立てて、皆で「曳き家の唄」を歌おう、と言い、一度深呼吸をしたのち、「曳き家の唄」を歌い始める。
気が付くと、曳き家を見物に来た近所の人達も一斉に手拍子を取りながら歌い出し、ようやく落ち着いたカオルさんも、皆と共に手拍子を取りながら歌に加わる。
そして夕方、曳き家の作業は無事終わり、今日のお礼とお詫びをする家の主人に、自分こそ奥さんに怖い思いをさせてしまうなんて大失態だった、と詫びるロクさん。
だが、家の主人は、こんな楽しい思いをしたのは妻も自分も数十年振りだ、と言い、カオルさんがロクさんへのお礼として折った折鶴を手渡す。
ロクさんは、これまでで最高の贈り物だ、と改めて主人にお礼を言う。
(感想)
今回のサブタイトルにもなっている「曳き家の唄」が実在するのかどうか確かめようとGoogle検索してみたけど、それらしいものが引っ掛からなかったので(「唄」を「歌」や「うた」にして検索し直しても結果は同じ)、どうやら星野先生の創作のようですね(あるいはネット上に、この唄に関して記述したウェブページがないだけか)。
でも、そんな事は関係なく、ゲンさんの作品世界の中で昔から歌い継がれている唄という事で納得出来るし、読んでみると味わい深い歌詞(本誌133ページ一面を使って歌詞が掲載されている)と、歌っている皆の楽しそうな表情を見ているうちに、自分も一緒になって歌いたい、と思いました(けど唄の節が分からない……)。
前号最終ページの予告煽りを見た時は不安だったけど、「曳き家の唄」のおかげで、今回は最終的にほのぼのした読後感でした。
そして、読み終えた後良く考えてみたら、今回が、自分が「週漫」を買い始めてから初めてのロクさんの曳き家だという事に気付きました(単行本を除くと、複写サービスで取り寄せた分では、ロクさんが知人の現場を借りたのも含めて確か3度、ヤフオク・ビッダーズでの落札・購入分では1度もなかったと思う)。
単行本第6話(レギュラー連載第2話)「曳き家のロク」で初めて曳き家という技術を知った時、「家をそのまま移動するなんて、そんな凄い事が出来るんだ」と驚くと同時に感心した記憶があるが、やっぱり何度見ても(読んでも)、曳き家というのは凄い、と思う。
中盤の朝倉家の場面で、慶子さんとゲンさんが、「(今回の曳き家について)とてもいいことだと思うわ これから高齢化社会になるとロクさんの曳き家の需要が増えるかも知れないわね」「建て替えばかりが能じゃねえからな だいたい壊すにゃもったいねえ家をパカパカ壊し過ぎるんだよっ」と語り合う場面があるけど、それを読んで、壊す事が当たり前になっている今の世の中の考えから、今ある物を活かす事を優先するように世の中の考えが変化して、これから曳き家のような技術が見直されるといいのにな、と少し思った。
話は変わるが、今回読んでいて、ロクさんが自分に残された時間について考え始めている事が少し気になった。
冒頭の場面では、「この頃な 生きてるうちにあと何回曳き家ができるかってよく考えててな…」「(それを聞いて、辛気くさい事をいうなよ、と言うゲンさんに)いや オイラは真剣だぜ なんせ曳き家の仕事なんて年に一回あるかねえかだ あと三十年生きるとしても三十回しかできねえだろ?(ずっこけるゲンさんと秀美)」というように冗談っぽくオチたので大笑い出来たけど、後半、作業開始を前にして「三十年とはオレもホラ吹いたもんだが この現場を入れてあと何回こうして家を曳けるだろうな………………」と腕組みしながら物思いに耽るロクさんを見て、いつかは来るであろう事を思い、胸が少し痛んだ。
だけどやっぱりロクさんには、これからもずっと元気でいて欲しい。今回のゲンさんは「(オペレーターが操作している、ロクさんの曳き家の技術のデータが蓄積されたパソコンを見ながら)よかったじゃねえか ロクさんが死ぬまでにゃ こいつが立派に後を継いでくれるさ」なんて冗談めかして言っていたけど、ゲンさんは誰よりもロクさんの事を信頼していて、いつまでも元気でいて欲しいと願っている筈だから、これからも、五友爆破の御意見番そして精神的支柱として、元気でいて欲しい。
ちょっと湿っぽくなってしまったので(我ながら、この悲観的な性格を直したいよ……トホホ)、これで最後にするが、今回登場したコンピュータのオペレーターは、第2話(単行本第1巻第6話)「曳き家のロク」に登場した人と同一人物だろうか……?(顔は同じだけど鼻の描き方が違うので同一人物と断定していいのか迷う)
さて次回は、この頃ちょくちょく登場していてすっかりゲンさんファミリーの一員となったゴンが、旨い話を五友爆破に持ち込んで来るらしい。
仕事絡みでは、ゲンさんは過去に何度もゴンに痛い目に遭わされているらしいので(自分が読んだ中ではアスベスト除去作業中のトラブルに巻き込まれた第139話「作業環境」しか思い当たらないが、第177話「ヒデの鉄球解体」でのゲンさんの台詞によると、ゴンが紹介したアルバイトに酷い目に遭わされた事があるらしいし、それ以外にもゴンがゲンさんに迷惑を掛けた事があるかもしれない)、ゲンさんがどう対処するかが気になります(ゴンは割りと好きなキャラなので、あまり邪険にして欲しくない、という気持ちがある)。
それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに。









