2007.03.18.Sun / 11:32 
感想を始める前に、お知らせがあります。
ゲンさん(「解体屋(こわしや)ゲン」)データベース「五友爆破株式会社 活動記録集」の更新ですが、次回の感想までにはアップするのでもう少しお待ち下さい。

2007.03.18午後 追記
その代りと言っては何ですが、ゲンさんがいつかこんな大規模な爆破解体を出来るように、との願いを込めて、先日、おなじみ「GIGAZINE」で紹介されていた、アメリカでのホテルの爆破解体についての記事のリンクを貼っておきます(今回の感想と同時に紹介するつもりだったのに、午前のアップ時に忘れていた)。

GIGAZINEより
「ラスベガスの老舗ホテルが華々しく爆破解体」
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070315_stardust_hotel


それでは、今回のゲンさん感想をどうぞ。
「▽Open more.」前のイラストは、まだ新作に取り掛かっていないので、久し振りに2枚目のカラーイラストを御覧下さい。
kowashiya-gen_2006_08_24color_R.jpg


第215話「ボランティア活動」
(ストーリー)

先日の社内ベンチャーのプレゼンで秀美が五友爆破社員から募っていたアイディアのうち、ゲンさんが提案していたボランティア案が採用される事が決定した。

だが秀美の話によると、ゲンさんの提案そのままの採用ではなく、都市計画の変化やバリアフリーの観点上の問題で、全国で年々撤去されて行く歩道橋の横断部分をアジア全土の被災地に寄贈し、川に架ける橋として再利用するという計画として、ゲンさんのアイディアを参考にしたようだ。

ヒデと光は、海外に行けると思って張り切るが、秀美は、この仕事は現地での雇用創出も兼ねているのだから、現地の人に技術指導出来るゲンさんを、五友爆破から1ヶ月派遣するのだ、と話し、2人を落胆させる。そしてゲンさんは、1ヶ月も現地に派遣されると知り戸惑っているようだ。

夜、ゲンさんから話を聴いた慶子さんは海外出張の件を快く賛成するが、ゲンさんは、落胆しているヒデと光の事や、自分がいない間の会社の仕事などを考えてなかなか決心が付かない。

なかなか結論が出ない中、ゲンさんに抱かれていた鉄太くんが突然ゲンさんの指を噛む。
痛がるゲンさんと驚く慶子さんが鉄太くんの口の中を見ると、歯が生えていた。
我が子の成長に喜ぶ2人。そして慶子さんは、まだ迷っているゲンさんの背中を押すように、ボランティアの件を受けるように言う。

翌日、それでもまだ考え込んでいるゲンさんに、ヒデと光の2人は、あれから2人で話し合って、ゲンさんがいない間は自分達が頑張るから大丈夫だ、と言い、ゲンさんがボランティアに行く事に賛成する。いつの間にか頼もしさを見せるようになった2人の姿を見て、ようやくゲンさんは決心した。

そして秀美に会い、ボランティアの件を受ける事を話す。
秀美の話によると、今回の募集に対し、全国のゼネコンや建設会社から多数の応募があった事、そして専門の技術者や現場監督などのライバルがいたが、ゲンさんが最年長、そして解体業者の中で唯一派遣される事に決定したのだという。

それを聴いたゲンさんは、自分が派遣される事で専門の技術者や若い人材に与えられるべき機会を奪う事になるのでは、と考え、海外派遣の件を辞退し、その代りに、自分にしか出来ない事で今回のボランティアに協力する、と言う。

ある深夜、ゲンさん達は、今回のボランティアの為に使用される歩道橋の撤去工事を行う。
横断部分をクレーンで固定し、防音パネルで覆った橋脚部分に円形のVコードを設置して切断する事で、短時間の道路封鎖で済む事を知って驚く秀美。

皆が見守る中、橋脚部分の切断は無事終了し、横断部分は光の運転するトレーラーに積まれ、運ばれて行く。
トレーラーを見送り、これで今回のボランティアは終わりか、何だかあっけなかったな、と言うヒデ。そして秀美はゲンさんに、本当は現地に行きたかったのでは、と訊くが、ゲンさんは、現地に行くばかりがボランティアじゃない、その気になれば何処だって出来る、と力強く言う。

そしてゲンさんは、それに次の機会があったとしても自分は行かない、と言う。
何故、とヒデは訊ねるが、ゲンさんは、これからの時代を担うのはお前達若い世代なのだから、世界に出ていろんな経験をすれば自分の進む道が見えてくる、と想いを託すようにヒデを指差して言う。


(感想)
今回は、この記事で感想を書いた第210話「社内ベンチャー」の続編となるエピソードで、予想通り、ゲンさんが提案したボランティア計画が採用されました(そのままの案ではなく参考といった感じだが)。
読む前は、「話の展開によっては、五友爆破の面々が海外出張するエピソードが描かれるのか?」(これは前回書いたな)とか、「ボランティアは良い事だけど、そっち方面に内容が傾いたら少し厭だな」とか色々と考えてしまったが、実際の内容は予想していたのと違い、ゲンさんらしさが溢れた一篇でした。

以前の防音作業ユニットのエピソード(第192話「ゲンの新機軸」。感想はこちら)の結論の時も、ゲンさんはユニットの特許を取らず、自社の利益よりも業界全体の発展を考えていたけど、今回も、秀美の話を聴いて、自分が海外に派遣される事で橋脚施工の専門家や若い現場監督のチャンスが奪われていたのか、と考えて派遣を辞退するというように、常に自分よりも他人の事を優先して考えるゲンさんの想い、そして不器用だけど真っ直ぐなゲンさんの生き方が、読んでいて強く感じられた。

今回のラストで、ゲンさんはヒデに(多分その場にいた秀美にも)言い聞かせるように、「これからの時代を担うのはおまえたち若い世代なんだ もっともっと世界に出ていろんな経験をしてこい! そうすりゃ自分の道が見えてくるさ」と言っていたが、この台詞を読んで、いつかはヒデや光も、かつてのゲンさんのように、自分の進むべき道を見付ける為に五友爆破から巣立って行くのかな、と感傷的な気持ちになりました。
ゲンさんは、その日が来ても2人を笑顔で送り出す事が出来ると思うけど(1度、ヤフオクで落札して読んだ第142話「本物?偽物?」で光が五友爆破を退社したい、と言い出した時に、ゲンさんは光の為に作ってあった預金通帳を手渡して、笑顔で送り出そうとしていた)、読者である自分は、ゲンさんと同じように送り出してあげられるだろうか……

ところで話は変わるが、今回の歩道橋の橋脚切断工事に、上記リンクにある第192話でゲンさんが開発した防音作業ユニットが使われていて、「ああ、星野先生はこのユニットの事を忘れてなかったんだ」と安心しました。
それと、私の恥ずかしい勘違いを白状しますが、今回のゲンさんの台詞にある「何年か前 ジョージ(注・ゲンさんのライバルであるダイナメンション・インクのジョージ富田)の口車に乗せられて市街地で爆破解体をやった事を思い出したんだよ」というのが、去年の第180~182話「ジョージ富田の挑戦」の爆破解体対決の事だと思い込んでいました(第192話にも同じ件について触れている台詞があり、その時からずっと勘違いしていました)。
「去年の話を『何年か前』なんて言う訳ないよな」と気になったので、両方の話を読み直して、ようやく、ゲンさんの言う爆破解体の話が、自分が未読である別件のエピソードの物だと気付きました(未読のエピソードの粗筋を読んでしまわないように、石井先生の公式サイトにあるゲンさんのページの「あらすじ」コーナーは既読のエピソードのページしか見ていないので)。

最後になりますが、今回の朝倉家の場面で、鉄太くんに歯が生えたのを喜ぶゲンさんと慶子さんを見て、私も自分の事のように、鉄太くんの成長を見て嬉しくなりました。
これから、もっとゲンさんは子煩悩になって行くんだろうな。出来れば、鉄太くんがゲンさんの跡を継げるくらいに成長するまで、この連載が続くといいけど、そこまで夢を見るのはまだ早いですね……

さて次回は、ゲンさん夫婦が、鉄太君を外で遊ばせたいと相談する、という内容だそうだ。
ここの所、肩に力を入れて感想を書いてばかりだったので、久し振りに肩の力を抜いて楽しめそうなエピソードらしいので楽しみです。

それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに。


余談・
またしても来週巻頭を飾り、4月には単行本も刊行されて、「週漫」編集部(というか芳文社)のえこ贔屓全開である「コインロッカー物語」の原作者・伊東恒久の名に見覚えがあったが、前から気になりながらも検索する気になれず、ずっとそのままにしていたが、今朝、ついにGoogle検索してみた。
そうしたら、劇画原作者だけでなくアニメの脚本家もしていた事が判明した(やはり、サンライズ系のアニメで名前を見たような気がしたんだ)。
しかも、昭和16年生まれというから、結構な年配で(当たり前だ。自分の記憶にあるサンライズアニメが80年代のものなのだから)、それで「コイン~」の星川がいけ好かない説教野郎である理由が判った気がした(結局、伊東センセイは星川の口を借りて、気に入らない若い奴に気分良く説教したいだけだったのね)。
それにしても、アニメ脚本家の癖に、どうして(アニメ業界の一番のお得意様である)オタクや若者を憎悪するエピソードばかり書くんだろう(同じく老害脚本家の雪室俊一がオタク嫌いになったのは、自身が手掛けたNHKアニメ「あずきちゃん」のエロ同人誌を見たのが理由だと聞いたがホントかねぇ)。それが不思議だ。

ともかく、主人公が相手を見下して説教するだけの漫画がこんなに支持されているらしいのが腹立たしい。
同じようによく相手に説教じみた事を言う「茗荷谷なみだ坂診療所」の織田鈴香先生は、まず自分自身に厳しく、その上で、相手にも自身に課したのと同等の厳しさを要求している、と感じるから納得出来るけど(だから鈴香先生は好きだ)、「コイン~」の星川にはそれを感じなかった(現在はパラ見すらしたくない)ので、どうしても納得出来ない。

やっぱり、星川に同化して自分も相手に説教して気分良くなりたい人間が支持しているのかな。そんな気がしてしまう。
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 うっかり忘れていましたが、“読売オンライン”でも私のこと紹介してくれています。まだちょっと詰まり気味ですが、鼻息荒いです。 そう言えば、今度は小学館の“Oggi”が取材に来るのですが、何話したら良いんだろ? いつか『タモリ倶楽部』が取材に来てくれな...
あずきちゃん『あずきちゃん』は講談社の少女漫画雑誌『なかよし』に連載された木村千歌の漫画作品。また、これを原作にした同名のテレビアニメ番組。 .wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quotation:Wikipedia- Article- History Li
プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
好きな数字・7の倍数

飼い猫の「わく」ちゃんです。
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