2007.05.30.Wed / 19:25 
さて、今回のゲンさん(「解体屋(こわしや)ゲン」)感想ですが、この記事にあるように、一度途中まで書いていた下書きがパソコントラブルで消えた為に、やる気が薄れてこんなに遅れてしまいました。どうもすみません。
ですが、ようやくやる気が出て来たので(と言ってもこんなに遅れたが)、いつも通りゲンさん感想を始めましょう。

ここでお知らせですが、次回(第226話)のゲンさん感想は、今週末は用事が立て込んでいる事もあって「週漫」の購入が遅れるので(多分日曜になると思う)、記事のアップは月曜以降になると思います(「『解体屋(こわしや)ゲン』全話読破プロジェクト」ヤフオクルート最新報告記事もその時に)。

それと、本サイトのコンテンツ「五友爆破株式会社 活動記録集」のデータベース更新も、来週以降に行う事にします(最新の第221~225話と、ヤフオクで落札した第167、169~171、178話)。

それでは、今週のゲンさん感想をどうぞ(東京から帰ったら、少しでもゲンさんのイラストの下絵を描き始めようと思っています)。
第225話「占有物件(後編)」
(ストーリー)

敷地内の建物に住み着いた占有屋の為に土地の売買が失敗したら、不渡りを出して全てを失ってしまう、と絶望する、ゲンさんの恩人でもある元工務店社長の山中さんの為に、ゲンさんは自分が何とかしてみせる、と断言した。

大見得を切ったゲンさんに、慶子さんは大丈夫なのか、と言うが、ゲンさんは、心配しなくても向こうから連絡は来る、それに犯人が恐れているのは山中さんの破産宣告だろうから、この勝負は短期決戦になる、と言ってゴンが管理している倉庫へと向かう。

倉庫に到着したゲンさんは、早速ゴンに、ケースに密閉された戦前のフィルムが必要だ、と手配を頼み、ゴンはそれを引き受ける。

その夜遅く、ふと眼を覚ました慶子さんは、隣に眠っている筈のゲンさんがいないのに気付いて探しに部屋を出ると、隣の部屋で机に向かい何やら作業をしているゲンさんに声を掛けた。

ゲンさんは、あの後ゴンが届けに来たフィルムや封筒などを使い、ある装置を作っている所だ、と慶子さんに説明する。

それを聴いて不安に駆られた慶子さんに、法に触れるような事をしようとしているのか、と言われたゲンさんは、警察もあてにならないこの事件で、山中さんのような人が苦しめられるのを見過ごせないから、仕方なくこんな装置を作ってまでして助けようとしているのだ、という意味の事を言い、それを聴いた慶子さんは、ゲンさんの事を信じる。

翌日、元社員の川端が代理人を通じて二千万円を要求して来た事を伝えに来た山中さんは、交渉の為に用意した百万円をゲンさんに預ける。

そして交渉の場として指定された公園に出向いたゲンさんは、川端と共に待ち構えていた代理人の男・坂田が取り出した不動産賃貸契約書を確認すると、ビニール袋に入れた百万円入りの封筒を取り出し、山中さんは二千万円を渡すくらいなら自己破産を選ぶだろうから、これで手を打って契約書を渡すように言う。

だが川端は、山中さんが土地と建物を売却すれば二千万円の自己資金が出来る事を知っており、その上でその金を脅し取ろうとする。

交渉決裂を悟ったゲンさんはそのまま百万円をしまい立ち去ろうとするが、完全に主導権を握った坂田に金を置いていくよう命令され、怒りを抑えきれない様子でビニール袋から出した封筒を手渡す。

勝ち誇った様子の坂田が封筒をしまったのを見て、ゲンさんは計略通りにに事が運んだ、と思ったが、そこに紙袋を抱えた山中さんが駆けつけ、何とか掻き集めて一千万円用意したから、これで手を打ってくれ、と懇願する。

こんな奴等に大事な次の事業資金を渡す必要はない、と言うゲンさんに山中さんは、これでいいんだ、と言って川端にその紙袋を差し出し、まだ若いお前がここで犯罪者になってはいけない、だからこの金で人生をやり直せ、と言う。

山中さんの言葉を黙って聴いていた川端だが、紙袋をひったくった上に更に金を要求しようとする坂田を見て、この金は取ったら駄目だ、と坂田の手から取り返そうとして顔を蹴り上げられる。

だがその時、坂田がしまった百万円入りの封筒が発火し、一緒にしまってある賃貸契約書もろとも燃えてしまった。

契約書がなくなってしまいうろたえる坂田は、怒りに燃えたゲンさんの一撃であっけなく殴り飛ばされ、勝手な思い込みで山中さんに酷い事をしてしまった事を悟った川端は、山中さんに心から詫びる。そして山中さんは、次の会社を立ち上げたら川端を真っ先に雇う事を約束し、川端はその温情に涙を流す。そして山中さんは、事が丸く収まったのはゲンさんのおかげだ、と感謝する。

だが、まだ占有屋の問題が残っている事を不安がる山中さんにゲンさんは、それなら心配要らない、と言ってトシさんに連絡し、連絡を受けた偽ジェイソン姿のトシさんによって、あっけなく占有屋は追い出された。


(感想)
正直に言いますが、重い内容だけど続きが気になり読み応えのあった前回とは裏腹に、今回ははっきり言ってイマイチでした(なので今週の「週漫」アンケートのQ3「おもしろかった劇画を1つ」の回答は「弁護士TASUKE」にしました……)。

こうやって上のストーリー詳細を書く為に再読してみても、終盤の川端(「山中工務店」元社員)の改心が唐突な印象が拭えず、イマイチな脚本の時の(最近はそれが殆どだけど)吉本新喜劇の人情話を観ているような、ある種の薄っぺらさを感じてしまったのです。

最初の方でゲンさんが「この勝負は短期決戦になる」と言っているから、このエピソードは前・後編になるのが当然なのだろうけど、犯罪まがいの事をしてでも山中さんを救おうとするゲンさんの想いが胸を打つ前半に比べて、後半はオチのあっけなさ(第220話「鉄板泥棒」の時に登場したトシさんの偽ジェイソンが見られたのは嬉しかったけど)も相まって、「こんな簡単に物事が解決出来りゃ苦労ないじゃん」という気持ちになってしまいました(フィクションなんだからこれくらい単純でもいいじゃないか、という気持ちも無くはないけど)。

せめて前・中・後編にして、交渉まで山中社長の前から姿を消していた川端の事情や心理にもページを割かれていたら、もっと納得の行く内容になったのではないかと残念に思うのです(それでは冗長になるというのなら、もう少し構成を考えて欲しかった……と生意気な苦言を一言)。

そこで、某所でよく使われる「脳内補完」を使って、川端の今回の犯行の動機について推測してみたのだが、身寄りがない流れ者だった川端は、「山中工務店」に骨を埋めるような気持ちで働いていたのではないだろうか。だが突然の社長の「山中工務店」廃業によって、自分の居場所、そして行き場を失った上に、「社長に裏切られた」と思った遣り切れない気持ちが、こんな行動に走らせたのではないだろうか。そう考えれば、やり方は極端だけど、山中さんを逆恨みする心理について辻褄が合うと思うし、納得も行く(犯行そのものは卑劣で許しがたいが)。

話は変わるが、中盤の、交渉に備えてフィルムなどを使用した発火装置を作っているゲンさんの(慶子さんに、法に触れるような事をしようとしているのか、と問い質されて)オレだってこんなもの使いたくねえさ! だがな こういう事件で警察はなんの役にも立ちやしねえっ 弱者は弱者のままやられっぱなしでいろってのか!?」「慶子 これだけは信じてくれ オレだって好きでこんなもの作ってるんじゃねえ だけど山中さんみたいに誠実な人が身ぐるみ剥がされるのを黙って見てられないんだ」という台詞を読んで感じたのだが、ゲンさんの中には、今の社会(というか社会を動かす者)に対する強い不信のようなものがあり、「社会の規律が弱者を守る為に存在しないのならば、弱者を守る為にあえて規律を破るしかない」という考えが根底にあるのではと感じ、少し不安を覚えた。

確かに今の世の中は、何が真実で何が偽りなのか判らない理不尽な事が多過ぎる(その点では、自分もゲンさんと同じように社会に対する憤りを持っているが)。そんな中で、例え法を犯しても恩人を助けたいと思うゲンさんの気持ちは理解出来る。だが、そういう考え方は、ゲンさんが一歩間違えば危険な方向へ突っ走りかねない危うさを読んでいて感じてしまい、悪い意味で、ゲンさんが「目的の為なら手段を選ばない」人間になってしまわないかと不安になるのです。

勿論、ストーリー担当の星野茂樹先生がその事に気付かない筈はないので大丈夫だと思うけど、今回のゲンさんの行動が、(言葉は悪いが)テロリストの原理と同一視されかねない危険性があるので、もう少し、その種の描写は穏当にして欲しいとお願いしたいです(戦前のフィルムが一般人の手に入る確率は少ないだろうし、多分、真似されても成功しないように手順を一工程か二工程くらい略しているのではないかと思うけど、犯罪のヒントになるような事を詳しく描写するのはちょっと気になった)。

そのゲンさんの為に、戦前のフィルムを手配して深夜遅く届けに来たゴンだが、倉庫でフィルムの手配を依頼された時、ゲンさんからフィルムの価格は言い値で支払うと言われて「い…!? 言い値って そんなこと言われたらかえって決めにくいでっせ……」と答えたのには意外に思ったし(バイトの手配料と報酬を平気で二重取りしようとするゴンなら即座に吹っ掛けそうな気がしたので)、それを聞いたゲンさんに、間髪を入れずに「そうか じゃあ千円でどうだ?」と返されて慌てて「適正価格っ… 適正価格でお届けしますさかいに!」と答えた後、心の中で「まったくすぐ足元見るんやから…」とぼやく所はこの回一番の笑い所だった。

まあ、何はともあれ、山中さんの危機が救われ、川端も根は悪に染まっていなかったという事で、全てが丸く収まって良かったです。ただ一つ気掛かりなのは焼けてしまった百万円の事だけど、もし山中さんとゲンさんにその気があれば、焼け残りが原形を留めていれば、日銀の本店・支店で焼け残りの面積に応じて一定の額が交換出来るらしいけど、完全に灰になった場合は無理なのかな?(Google検索結果の幾つかのページを見たけど、どちらの意味にも解釈出来そうなので判断出来ない)

さて次回は、会社のセールスポイントのアピールの為に、秀美の提案で五友爆破の企業CMを作る話だそうだ。

当初の予定よりだいぶ遅れてしまいましたが、これで今回のゲンさん感想はお開きです。
それでは次回のゲンさん感想もお楽しみに。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
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飼い猫の「わく」ちゃんです。
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