2007.06.13.Wed / 20:22 
さて(最近この書き出しが多いような気がする……)、ゲンさん(「解体屋(こわしや)ゲン」)感想ですが、予定からかなり遅れてしまいましたが、ようやく書き上げました。
今回は、久し振りに2話分まとめてのアップです。

それでは、いつも通り「▽Open more.」を開いてお読み下さい(久々に、新作ではないけど、2枚目のカラーイラストを「▽Open more.」前にアップしてみました)。
それと、先日大幅更新したゲンさんデータベース「五友爆破株式会社 活動記録集」も、宜しければお立ち寄り下さい。

kowashiya-gen_2006_08_24color_R.jpg


第226話「企業CMを作ろう!」
(ストーリー)

ある日の五友爆破の事務所。
慶子さんは何やら仕事に関する電話をしているが、デジカメを忘れて戻って来たゲンさんに声を掛けられると、何故か異様に驚いている。
それは何故かというと、慶子さんは、ゲンさんに内緒である事業計画を進めており、それが具体化するまではゲンさんに黙っているつもりだからだ。

そして夕方、突然秀美が企業CMを作ろう、と提案する。
藪から棒に何だ、というゲンさんに秀美は、五友爆破の面々はそれぞれに素晴らしい個性と特技を持っているが、その一方で、五友爆破の企業としての顔が見えにくくなっている事を指摘し、企業CMを制作して五友爆破の各事業の特徴を紹介すれば業界内での知名度が上がる、と言う。

それを聴いたゲンさんは、CMなんて作ったら金が掛かるだろう、と言うが、秀美は、機材は自分の勤める会社にある家庭用ビデオを使用し、編集等の作業は専門業者に依頼すると言い、予算的には問題はないようだ。
そして秀美は、光の質問に答えて、完成したCMをテレビ放映する予算はないが、ネットやCATVで無料配信したり、DVDに焼いて名刺代わりに配る事が出来る、と言う。

そこまでやる必要があるのか、とまだ決心が付かないゲンさんだが、待っているだけでは仕事は来ない、積極的に宣伝する事も大切な仕事だ、という慶子さんの言葉で、ようやく決心が付き、CM制作にゴーサインを出す。それを受けて、映研出身の秀美と、元タレントでプロモーションビデオ制作の現場には慣れている光が俄然張り切り出した。

そして後日、仕事の合間を縫ってCM撮影が始まった。
まずはヒデのクレーン操作の撮影から始まったが、張り切るヒデとは裏腹に、光と秀美は、クレーン操作は映像として華や見所がない、と考えたのか、あまり気乗りしない様子。

次は屋内で、ゲンさんによるハンマーでの壁の解体を撮る事になった。
ゲンさんは、今は分別解体が進んでいるからハンマーで壁を壊したりしないもんだ、と言うが、光と秀美の言葉に、ようやくやる気を出して思い切りハンマーで壁を叩き壊す。
だが、たった一撃だけで撮影が終わってしまい、喜ぶ二人とは裏腹に、拍子抜けしたゲンさんは納得の行かない顔をしている。
そして気合の入った表情の二人は、いよいよ自分達の出番の撮影だ、と意気込む。

そして数日後、CMの完成試写会が始まった。
最初にゲンさんのハンマー解体シーンが映り、ゲンさんは喜んでいる様子だが、続いて映ったヒデのクレーン操作シーンはたった1カットのロングショットで、ヒデは拍子抜けした様子だ。
続いてトラックを運転している光が登場し、それ以降は、女性陣が妙に目立った内容になっている。

CMが終わり、あっけに取られた様子のゲンさんとヒデだが、光は上機嫌だ。
ヒデは怒り、ゲンさんは光たちに、もう少しまともな内容に出来なかったのか、と駄目出しをする。
ちゃんと仕事の紹介をしているじゃないか、と怒る光と、何か足りない物があるのか、と訊く秀美に、ゲンさんは、このCMには自分達が取り組んでいる「先へ進むための解体」「循環型社会にする為の解体」という目的が紹介されていない、爆破解体や曳き家という手段だけを訴えてもそれがはっきりされていなければ無意味だ、と指摘し、二人にCMの撮り直しを命じる。

二人がしょげ返っている所に、慶子さんの携帯の着信音が鳴る。
電話に出た慶子さんは、ずっとゲンさんに内緒で進めていた事業計画が通った事を打ち明ける。
そしてゲンさんは、久し振りに爆破解体が出来るとの慶子さんの言葉に驚きを隠せない。

(第227話に続く)

(感想)

……何と申しましょうか。
正直言って、東京から帰還した3日の朝、高速バスで眠れずに疲れた体で、岐阜駅の売店で「週漫」を買って4番線ホームのベンチで最初に読んだ時、「この回、最初の2ページ半と終わりの1ページ半しか要らないじゃない」と思ってしまいました。

CM制作という美味しい題材なのに、何でこんなに微妙な内容に仕上がるんだろう、と残念に思い、初めてアンケートのQ4「つまらなかった劇画を1つ」の項にゲンさんを挙げてしまいました(アンケート結果が下位になって連載継続が危うくなったらどうすんだよ……と考えたけど、自分の気持ちに嘘はつけなかった)。

まあ、この回の一番の見所は、慶子さんがゲンさんに内緒で進めていた新たな事業計画の行方だと思うので、真ん中のエピソードは息抜き程度に楽しめばいいかな、とも思ったりしましたが、それでもねぇ……

それと最後に一つだけ言わせてくれ。

秀美のキャラ変わり過ぎだろっ!!

ヤフオクで落札した第167話「ゲンの思いやり」の冒頭では人前で水着姿になるのを恥ずかしがっていた彼女が、今回は、光とツーショットのセクシーポーズを披露しているなんて(「週漫」本誌202ページ上段コマ)……ホント、一体彼女に何があったんだ……

……と短いですが、この回の感想はこれでお開きです。

続いて、第227話のストーリーと感想とまいりましょう。
今回は、第217話「慶子の職場復帰(前編)」以来の巻末です(前回が4月13日号なので2ヶ月ちょいか。まあ、妥当かな)。

第227話「重圧の下で(1)」
(ストーリー)

いきなり爆破解体をやる、と宣言した慶子さんの言葉に驚くゲンさん。

慶子さんによると、2年前に閉鎖された町山市にあるニッハツ自動車製造工場をショッピングモールとして再開発する計画があり、その為の工場の建物を爆破・整地する工事に、五友爆破が参加出来る事になったという事だ。
勿論そんな大規模な工事なので五友爆破が単独で請け負った訳でなく、第一期の解体工事だけでゼネコンが3社、解体企業は7社が参加するという共同事業なのだ。
慶子さんは、元部下である三友重機の鶴見の仲介でこの事業に参加出来た、と言い、それから爆破解体について話そうとするが、何故か言い辛そうだ。

そこに、憎まれ口を叩きながら、ダイナメンション・インクのジョージ富田が入って来た。そう、今回の事業では、五友爆破はダイナメンションの下請けという位置付けなのだ。
冗談じゃない、と反発して仕事を下りようとするゲンさんに、慶子さんは強い調子で、この仕事はやってもらう、自分はゲンさんに爆破解体をやらせると決めたのだから、その為にはゲンさんの我侭は聞けない、と言って引き止める。

二人のやり取りを聴いていたジョージは、今回の現場は、日本の爆破解体の未来が掛かった失敗の許されない厳しい現場だから逃げ出すなら今のうちだ、とゲンさんを挑発する。
どうして自分が逃げ出さなきゃいけないんだ、と反発するゲンさんに、子供みたいに駄々をこねるから怖いのかと思った、と更に挑発したジョージは、人を餓鬼扱いするな、その含み笑いを吹っ飛ばすような爆破解体をやってやる、というゲンさんの言葉を引き出すと、満足したように帰って行く。
ジョージがゲンさんを挑発してくれたおかげで説得の手間が省けた慶子さんは安堵の溜息をつき、週明けに現場の下見に行こう、とゲンさんに言う。

数日後、一同は今回の現場となるニッハツ自動車製造工場へと出向く。
既に閉鎖された工場の規模の広さに、ヒデと光は改めて驚いている。ゲンさんも、慶子さんから工場の建物の爆破工事に関する概要や、ジョージも言っていた、今回の工事が業界から注目されている事、そして今後は高度成長期に建設された建物の解体に爆破解体が有効な筈だ、という話を聴いているうちに、やる気がみなぎって来たのか、自分が待ち望んでいた時代が来た、ジョージの想像を超える爆破解体を見せてやる、と意気込む。

そして慶子さんは、今回の現場は複雑だしゲンさんには爆破解体に集中して欲しいから、その間、現場代理人を手配した、と皆に告げる。
慶子さんから、まだ会った事はないが、その現場代理人は若くて凄腕だと聞いた光は、格好いい男だろうか、と期待している。
そこに、小柄で小太りの男が駆け付ける。だが、その男・田村は転んで鞄の中身をぶちまけてしまったり、自己紹介をしようとして、上着を落としたままなのを慶子さんに指摘されて慌てて取りに戻ったりと、見た目や行動を見る限りだと、とても凄腕とは思えない。
光は失望し、慶子さんも、紹介した鶴見の話では優秀だと聞いていたのに、と困惑気味だが、ゲンさんは、溜息をつきながらも、仕事をしてみなければ実力は判らない、と言う。

そして一同は工場近くのファミレスに河岸を移すが、店内が今回の工事関係者で埋まっている事に驚く。
そんな中、ゲンさんは周りの席の同業他社の連中が、自分達について陰口を叩いているのに気付く。
慶子さんによると彼等は、自分達も爆破解体をやりたかったのに、外資のダイナメンションと零細企業の五友爆破が受注した事が面白くないのだそうだが、逆恨みされた厭な空気の中にいるゲンさん達は、そんな彼らに腹を立てている。

周りの様子や慶子さんと光の会話を黙って聞いていた田村は、ふと席を立つと店内の中心へと歩き、そこで立ち止まると、いきなり工事関係者達の前で、「五友爆破株式会社」の代理人として挨拶を始め、ゲンさんの爆破解体技師としての実績や、それに基いての今回の工事の受注には何のやましい物はない事を堂々と述べ、自分達は小さい企業だが開かれた企業でもある、どんな質問にも社長が答える、とゲンさんに代表として皆に一言言うように引き継ぐ。

代わって立ち上がったゲンさんは、自己紹介すると共に、折角こうして皆と仕事が出来るのだから、積極的に意見交換して実りある現場にして行こう、と言い、宜しく頼む、と頭を下げる。
その堂々としたゲンさんの姿に、さっきまで陰口を叩いていた同業他社の社員達も感じ入り、一斉に喝采が湧き上がる。
そんな中、お互いの凄さを感じ取ったゲンさんと田村は力強い握手を交わし、その二人を見守る慶子さんは、この現場の成功を確信する。

(次号へ続く)

(感想)

久々の大仕事(サブタイトル後の数字を見る限りだと、今回のエピソードは4話以上に亘るようだ)、そして新たな仲間の登場。これに満足しないでどうするのだ、と言いたいほど、今回は満足して読み終えました(特に前回がアレだったし……)。

勿論、今回は文句なしにアンケートのQ3「面白かった劇画を1つ」にゲンさんを挙げました(余白部分に「ダントツ!!」と書き添えて)。ホント、次週以降もどんな風に話が展開していくのか、今から心が躍ります(複写サービスやヤフオク・ビッダーズで読んだのを含めても、これまでで最大のプロジェクトのようだから、もしかしたら何ヶ月にも亘って続くかもしれない)。

ゲンさんは、ダイナメンションの下請けという位置付けが気に入らないようだけど、これだけのビッグプロジェクトなのだし、現場の作業に関してはゲンさんのやりたいようにやれる筈なのだから、個人的なジョージへの対抗心は、この際捨ててもらわないとね(下請けだから、少しは元請けであるダイナメンション側から指示されるかも知れないけど、爆破解体技師としてのゲンさんの事を誰よりも信頼しているジョージの事だから、殆どはゲンさんの自由裁量に任せてくれると思う)。

それにしても、いつも思うのだが、ジョージに対して子供っぽい対抗心を燃やしているゲンさんを見ていると、爆破解体の技術はともかく、今のままでは、人間的にはまだゲンさんはジョージと同じ土俵には上がれない気がしてならないのだ。

確かに、いつまでも青い所がゲンさんの魅力の一つではあるけど、今回の仕事がダイナメンションの下請けだと知って、すぐに「おいっ慶子! この仕事降りるぜ こんな野郎の下でやれるかってんだ!!」なんて言ったりしているのを見ると、その性格を少しでも改めない限り、いつまでもゲンさんはジョージの手の上で踊らされている存在でしかなくなるのでは、と思うのだ(ジョージの挑発がなかったら、慶子さんが何と言おうとゲンさんはこの仕事を降りていた可能性もあるから)。

自分は、いつかはゲンさんがジョージに対する無意味な(というのは言い過ぎか)対抗心を捨てて、互いのスタンスを維持したまま二人は手を結び、共に日本の爆破解体業を変えて行く日が来ると期待しているのだが、ゲンさんが未だにこんな子供っぽい所を見せているのを見ると、果たしてそんな日が本当に来るのだろうか……と不安になる。

そんなゲンさんとは対照的に、ジョージのゲンさん操縦術(?)は、いつ見ても鮮やかですね。
今回の仕事を降りようとするゲンさんを「もっとも 逃げ出すなら今のうちだぞ」「『逃げ出す…!? どうしてオレが逃げなきゃいけないんだっ!?』と言うゲンさんに)おや違うのか? 子供みたいにダダをこねるからてっきり怖いのかと思ってな」と挑発して、「いいだろう! やってやる その含み笑いを吹っ飛ばすような爆破解体をやってやろうじゃねえか!!」という言葉を引き出して見せるのだから、もしかしたら、慶子さん以上にゲンさんの性格を知り尽くしているのかな、とも思うのです。

さすが、ゲンさんより一回り以上も歳を喰ってないなぁ(……って褒めてんだか何なんだか)。

ところでジョージは、いつものように憎まれ口を叩いて、ムキになったゲンさんに仕事を引き受けさせる為だけに五友爆破の事務所に行ったのだろうか。余りにもタイミングが良すぎるし、仕事の打ち合わせの為に来たにしてはゲンさんが仕事を引き受けたらあっさりと帰っちゃったし、まさか慶子さんがゲンさんを説得出来なかった場合を考えて入り口で待ち構えていたとか……!?(な訳ないよね)

さて、話は変わりますが、今回のもう一つの見所は、このプロジェクトの間、ゲンさん達と一緒に働く事になった現場代理人・田村さんの登場でしょう。

見た目や行動は冴えないが仕事ぶりは優秀という良くあるキャラクター設定だけど、ゲンさんと並ぶと凸凹コンビといった感じで見ていて楽しいし、ファミレスの店内で、五友爆破に対する陰口を叩いていた同業他社の作業員達を鎮めた手腕の鮮やかさが印象的で、このプロジェクトが終わっても、五友爆破との仕事を続けて欲しいと今から思ってしまうくらい、この人の事が気に入りました。

予告煽りによると、田村さんの活躍はまだまだ続くそうで、今から明後日の最新号の発売が待ち遠しいです。

最後になりますが、これから少なくとも数週間(規模が今までとは桁違いだし、もしかしたら数ヶ月!?)に亘って描かれる、この五友爆破にとって最大のプロジェクトの行方がどうなるか、読者である我々はドキドキワクワクしながら見守って行く事にしましょう。

それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに(感想は、金曜から日曜までの間にアップします。そしてその前に、積み残しになっている「『解体屋(こわしや)ゲン』全話読破プロジェクト」の報告記事の残りをアップするかもしれません)。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
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飼い猫の「わく」ちゃんです。
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