2007.07.03.Tue / 18:25 
またしても週が変わってのアップですみません。
でも、ようやく書き終えたので早速ゲンさん(「解体屋(こわしや)ゲン」)第230話の感想とまいりましょう。
それと、「五友爆破株式会社 活動記録集」の作品データベースに、第226~230話の作品データをアップしましたので、こちらもお時間があったらお立ち寄り下さい。

それでは、第230話の感想をどうぞ(今回の「▽Open more.」前は、意表を突いて、昨年初めて紹介したゲンさんの白黒イラストを再アップしてみました)。

kowashiya-gen_2006_06_19-200b.jpg
昨年アップした時はサムネイルが小さかったので、今回再アップしてみて、意外に大きいのに驚いた……


第230話「重圧の下で(4)」
(ストーリー)

ニッハツ自動車町山工場では、ついにゲンさんの指揮による工場の爆破解体が行われようとしていた。
カウントダウンの後Vコードに点火され、工場の建物は爆音と閃光に包まれた。
ゲンさんは不安そうに爆破解体の結果を見守るが、工場は建物の中心部分が崩壊しただけで、建物の大部分が残った状態だ。そう、完全な失敗である。

口々に解体の失敗を詰る関係者に何も言い返せないゲンさんの眼の前に、いつの間にか来日していたジョージが現れ、とんだ醜態だ、お前には失望したと責める。
そしてジョージは、ゲンさんに見切りをつけた慶子さんを抱き寄せ、鉄太くんは自分の養子にして立派な爆破技師として育てるという意味の事を言う。
ゲンさんは、高笑いするジョージに抱かれている鉄太くんに向かって、帰って来いと叫ぶが、そこでハッと眼が覚めた。
そう、ここは夜遅くの五友爆破の事務所で、これまでの事は夢だったのだ。

最悪の気分で目覚めたゲンさんは、失敗する夢を見るのはいつもの事だと厭な気分を振り払う為に顔を洗うが、まだ解決の糸口が見えずに焦るゲンさんを嘲うように、鏡の中のジョージの幻が高笑いする。

後日、今度は本当にニッハツ自動車町山工場。
ヒデは、クボタリ解体の作業員達から、自分達の事を密告したのはお前かと責められる。
現場の掛け持ちは止めた方がいいと言うヒデに向かって彼等は、自分達がどれだけ苦労して今回の現場での仕事を手に入れたか解るのか、もしクビになったら只ではおかないと激昂する。

そこに現れた田村は彼等に、その心配はないと声を掛ける。
部外者に何が解る、と言う作業員の一人に田村は、自分に解るのは、これからの貴方達の待遇が良くなる事と現場の掛け持ちがなくなる事だと予言めいた事を言い、どうしてお前にそんな事が解るんだと言った別の作業員に向かって意味深な笑みを浮かべる。

その頃、クボタリ解体本社では、激昂した社長・久保田が、突然役員会が召集された事について、誰に断って勝手な真似をしたんだと役員の一人に問い質すが、相手は全く動じずに、ここにいる全員の考えで役員会を行う事を決めたという意味の事を言い、臨時役員会が開始された。
そして緊急動議として久保田社長の不信任案が提議され、社長を除く役員全員の挙手により動議は可決された。

同じ頃、ニッハツ自動車町山工場では、社長解任の話を田村から聴いた作業員達が驚いているが、田村は落ち着いた様子で、貴方達の仕事を奪うような真似はしないから安心して作業を続けるように言う。

そして再びクボタリ解体本社では、社長を解任された久保田が、これまでの功績や苦労も考えずに自分を解任した役員に向かって、これまで汚い事に手を染めさせておいて、自分だけ切り捨てるつもりなのかと激昂するが、役員達は、我社は生まれ変わらなければならない、そしてここで決断しなければ我社に未来はないと言い、サービス残業や二重受注などの違法行為を一切行わない為の監視委員会の設置を宣言する。
久保田はまだ納得行かないようだが、ひとまず、現場の作業員達の勤務超過がなくなる事は確実だ。

その晩、ゲンさん、ヒデ、田村の三人は、クボタリ解体の三人の作業員と共に、居酒屋で祝杯を挙げていた。
作業員達は、これから安心して働けると言い、ゲンさんは田村に、どうやって役員を動かしたのかと訊く。
田村は、役員達に二重受注の証拠を突き付け、社長を退任させないと、これを労働基準監督署に送ると言った事を明かし、会社の体制に危機感を持っていた役員達の後押しをしただけだと答える。
そして、こんな大胆な手を使うとは思わなかったと感心するヒデに答えるように田村は、以前にも似たケースがあったが、その時は社長が彼の進言を聞かず、事態が泥沼化した末に現場が崩壊した事、組織が病んでいたら、その部分だけを治すのではなく、トップを替えないと根本的な治療は出来ない事に気付いたと語る。
田村の話を聴いていたゲンさんは、ふと何かに気付き、爆破解体のプラン見直しの方策を思い付いたらしく、田村のおかげだと感謝する。

翌日、大日本化薬工業株式会社に出向いたゲンさんは、今回のVコードはこれで頼みたいと社長に書類を手渡す。
書類を見て驚いた社長は、ゲンさんに本気で言っているのかと訊ね、前例がないと尻込みするが、依頼通りのVコードの製作を引き受ける事に話が決まり、ゲンさんは、もう引き返せない所まで来たんだ、一つド派手に行こうぜ、と張り切っている。

(次号に続く)

(感想)

前々回から、クボタリ解体の作業員達の過酷な労働実態がずっと気になっていましたが、今回のエピソードで描かれた解決法を読んで、「まさかそう来たか」と言うのが、最初の正直な感想でした。
いや、これは悪い意味ではなく、居酒屋の場面でヒデが言うように「それにしてもさ まさかこんな大胆な手を使うなんて想像もできなかったよっ」という気持ちで、クボタリ解体の二重受注の証拠を元に、役員を説得・根回しして、社長を解任させた田村さんの手腕に驚かされました。
ホント、田村さんは敵には廻したくない人ですね……(って褒めているのか、それは)
だけど、解任された久保田社長が、このままでいるようには見えないので、まだ安心出来ないのではという不安は少し残りますが、現時点ではクボタリ解体の作業員達の待遇が改善された事を素直に喜びましょう。

そしてもう一つの問題である、ゲンさんがジョージに見直しを迫られた工場の爆破解体プランの行方についてですが、こちらも、ある現場での出来事について語る田村さんの言葉が切っ掛けとなって、どうやら事態が打開しそうで、次号に行われるであろう新たなプラン(と特注のVコード)による爆破解体が今から楽しみです(ところで、ゲンさんが特注のVコードの製作を依頼した「大日本化薬工業株式会社」の社長って、国立国会図書館の複写サービスで読んだ第67話「意識改革」で、三友グループから独立した後の挨拶廻りに来たゲンさんの心意気に賛同した火薬メーカーの社長ですよね?同一人物だとすれば、あれからずっと取引が続いているようで何よりです)。

ところで、今回のエピソードで一番驚いたのは、上に書いたクボタリ解体の社長解任でしたが、それと同じくらいに、冒頭のゲンさんが見た悪夢の場面に衝撃(というのは少し大げさだが)を受けました。
ゲンさんが、大きな図体の割りに独りで考え込む性格だという事は、単行本第7話(レギュラー版第3話)「夕日を差す女神」や、昨年読んだ第181話「ジョージ富田の挑戦(中編)」などにも描かれていたし、大きな仕事の前に、それが失敗に終わるという悪夢を見るというのも、先月に国立国会図書館まで行って読んだ(それについてのレポート記事はまた後日)第132話「サバイバル1」で描かれていたので、その事について驚いた訳ではありません。
だけど今回の悪夢は、慶子さんが爆破解体に失敗したゲンさんを捨ててジョージと一緒になった上に、鉄太くんもジョージに取られるという残酷な結末で、考え過ぎかもしれないが、もしかしたらゲンさんは潜在的に、自分が仕事をしくじれば、慶子さんが自分を捨てるのではという不安を、今でも持っているのではないかと思ったのです。

さて次回は、今回のエピソードでゲンさんが閃いた新たな爆破解体プランの全容が明らかになるそうだ。
この「重圧の下で」というシリーズが始まった時には、かなりの大規模な事業計画だから、完結までに数週間か数ヶ月掛かるのではと思っていたけど、工場の爆破解体が物語のピークになるとしたら、もしかしたら意外に早く、このシリーズは完結するのかな?(解体後の整地にまで話数を割くとは思えないし)
まあ、ともかく金曜発売の第231話を読めば全てが分かるので、3日後を楽しみに待つ事にしましょうか。

それでは、大変遅くなりましたが、今回のゲンさん感想はこれでお開きです。
次回をどうぞお楽しみに。

第132話「サバイバル1」のタイトルの数字は、実際は○の中に1(機種依存文字)です。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
好きな数字・7の倍数

飼い猫の「わく」ちゃんです。
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