2007.08.27.Mon / 19:08 
お待たせしました。今回は久し振りに2話分まとめてのゲンさん(『解体屋(こわしや)ゲン』)感想です。
それでは早速始めましょう。
いつものように「▽Open more.」を開いて下さい(涼しくなったら、新しいゲンさんのイラストを何枚か描いてみようと思っています)。
kowashiya-gen_03photo-b2_R.jpg

『解体屋ゲン』

第237話「破綻した町を救え!1」

正式なタイトル後の数字は丸の中に1(機種依存文字)です。
(ストーリー)
二年前。
北海道夕波市にある炭鉱記念有料道路のコンクリート橋落下により、マイクロバスの乗員全員が死亡するという惨事が起こったが、その知らせを聞いた道路橋の建設会社「獅子山建設」の担当者は、直ちに部下に道路橋に関する全てのデータを処分するよう命じた。

それから二年後の現在、五友爆破の事務所では、ゲンさんがある工事の入札に関して、慶子さんと秀美の二人に相談している。二人はゲンさんの提案に賛同し、ゲンさんも入札の決心が固まった。

後日、北海道夕波市役所会議室に設けられた「夕波炭鉱跡地整備工事」の入札会場では、担当者の二人が、今回の入札による工事が予算の殆どない利益の薄い物で、地元企業しか入札する意味がない、という意味の話をしている。
そのうちに入札締め切りの時間が近付き、二人が会場を片付けようとすると、一人の女性が慌てた様子で駆け込み、自分は東京から来た者だが、入札にはまだ間に合うか、と訊ねる。
そう、その女性は五友爆破の代表として来た慶子さんだ。

その頃東京の五友爆破の事務所では、ゲンさんがヒデ、光、有華の三人に、今回の仕事は現場が遠い北海道の上、工期は長期に亘り危険も伴う事を説明し、参加の意思があるかどうか訊ねるが、ヒデと光は、まだ暑い時期に涼しい北海道へ行ける事と、自分達も爆破解体について少しずつ勉強したい、という事で喜んで参加する。
張り切る二人とは裏腹に有華は、自分はやっぱり留守番だろう、といじけていたが、ゲンさんから、彼女にも来て欲しいと慶子さんが言っていたと聞くと、一転して喜ぶ。

そして同じ頃、ダイナメンション・インク東京支社では、秀美が先方の社員達を前に今回の仕事についてのプレゼンを行っている。
それによると、今回爆破解体予定の北海道夕波炭鉱は、どの物件も自由に撮影可能で、五友爆破が独占的に映像化権を販売するようだ。
秀美の説明を聴いたダイナメンション社員の一人が彼女に、この工事を確実に受注出来る保証があるのか、と訊ねるが、彼女は五友爆破のこれまでの実績や様々な連携によるコスト削減、そして今回提唱した爆破解体映像の販売による利益構造などを挙げ、今回の仕事の受注に自信を見せる。

秀美の言葉通り、「夕波炭鉱跡地整備工事」は五友爆破が落札し、ゲンさんは、今回の仕事は何処かの下請けではなく自分達が主体で行う初めての総合事業だ、と宣言する。

そして北海道の獅子山建設では、今回の工事の落札を逃した事で二年前の道路橋の事故の真相が露見する事を恐れた担当者が、工事を阻止しようと、部下に暴力団との繋がりがある地元の不動産屋に連絡を取るよう命じる。

(第238話に続く)

第238話「破綻した町を救え!2」

正式なタイトル後の数字は丸の中に2(機種依存文字)です。
(ストーリー)
北海道夕波市の大規模工事を落札した五友爆破の事務所では、ゲンさんが、今回の工事計画の一環であるダイナメンション・インクへの爆破解体の映像化権販売について現在日本滞在中のジョージに挨拶するよう、慶子さんと秀美の二人に説得されている。

そんなゲンさんは、現場に出掛けてからも、自分とジョージとの関係を知っていながら彼に頭を下げる事を強いる慶子さんについてぼやいている。
そこに浮かれた様子で現れたゴンは、ゲンさんに北海道への出発が何時なのか、と訊くが、お前は連れて行かない、と言われ、慌てて自分が炭鉱工事に役立つ事、北海道には懇意にしている火薬メーカーがある事などを懸命にアピールして、ようやく北海道行きのメンバーに加えてもらう事になった。

一方、北海道夕波市では、五友爆破に今回の工事の落札をさらわれた地元の建設会社「獅子山建設」の担当者二人が不動産屋「夕波不動産」へ出向き、社長の小川に今回の工事の妨害を命じる。
話を聴いた小川は、自分の手を汚さずに悪事を押し付けようとする獅子山建設の担当者に憤るが、危ない橋を渡る引き換えとして高い報酬を要求する。

そしてまた東京に場面は戻り、慶子さんと秀美はジョージに仕事の挨拶をする為に出掛けるが、二人の後ろに付いて歩くゲンさんは、何か厭な予感がするとか、ジョージに頭を下げるのは屈辱だとか言って、気が進まない様子だ。
だが、慶子さんの話を聴いているうちに、今回の仕事では五友爆破がダイナメンションの元請けという位置付けだと気付いたゲンさんは、一転して上機嫌になり、いきなり高笑いする。
突然の態度の変化に驚く慶子さんと秀美にゲンさんは、いつも自分がジョージに高笑いされているように、今回は自分が奴の前で高笑いをしてやるのだ、という意味の事を言って二人を呆れさせる。

ダイナメンションに到着した三人は早速ジョージに挨拶するが、彼から今回の仕事の価値について理解しているのか、と問われてそれぞれに答えを出すが、その答えの全てをジョージに否定されてしまう。
ゲンさん達が、自分達が行おうとしている仕事の価値を理解していない事を悟ったジョージは、モニターの映像を交えて、CGなどで作成された映像では味わえない本物の爆破映像の質感やリアリティ、そして本物が持つ迫力の価値についてレクチャーする。
その中で、前回自分達が行ったニッハツ自動車町山工場の爆破解体の無人カメラによる記録映像を初めて見たゲンさん達は、ようやくジョージの言わんとする事を理解した。

そしてジョージは、自社のドキュメンタリー専門の撮影チームを今回の五友爆破の仕事に同行させる、と言うとゲンさんに向かっていつものように高笑いする。
先を越されたゲンさんも負けずに高笑いし、事情を知らないジョージを唖然とさせると共に、事情を知っている慶子さんと秀美を赤面させる。

(次号に続く)

(2話まとめての感想)

二年前、霧の中をドライブしていたカップルが道路橋の落下によるマイクロバスの転落死亡事故を目撃する、という衝撃的な場面から始まった今回のエピソード「破綻した街を救え!」は、財政が破綻した北海道の自治体(モデルがあからさま過ぎて、北海道の読者が気を悪くするのでは、と心配になる……)を舞台に、我らが五友爆破の主体による初めての大規模な総合事業が何週にも亘って描かれるようです。

先だっての「さくらWALK建設事業計画」編(第227~232話)が意外に短くて、読んでいて不完全燃焼な気分だったので(しかも後味悪い結末だったしね。詳しくはこの記事参照)、今回の「夕波炭鉱跡地整備工事」編(仮称。以下「北海道編」とします)では、これを上回るスケールの物語を期待したいです(先日国立国会図書館の複写サービスで取り寄せて読んだ第105~116話「最大の仕事(ヤマ)」が読み応え満点で一気読みして興奮したので、このエピソードを是非超えて欲しい)。

先週と今週は、2話に亘る導入部、と言った感じですが、多分次回から舞台が北海道夕波市に移り、本格的に物語が動いて行くのでしょう(そうでないと読んでいて辛いのだが……)。
北海道行きのメンバーも決まったようだし(この2話分を読んだ限りでは、慶子さんと秀美も北海道に行くのか、それとも東京に残るのかは不明だが)、いよいよ、五友爆破創立以来最大のプロジェクトの幕が上がると期待しています。

気になるのは、今エピソードの発端となった北海道夕波市にある道路橋の落下事故に関わっていた地元の建設会社「獅子山建設」の動向で、今回までの2話だけでも、自社の保身そして事故の真相の露見による道内経済の破綻への懸念から、死亡事故が起きた道路橋に関するデータを処分したり、整備工事にかこつけて事故現場の証拠になる物を片付けようとしたり(これは工事の落札失敗により頓挫した)、挙句の果ては暴力団と繋がりのある地元の不動産屋に工事の妨害を依頼したりと、二年前の事故絡みで、工事を行う五友爆破に対して様々な妨害を仕掛けて来る事がこれだけ明らかにされているだけに、今回の工事が滞りなく終えられるかどうか心配になります。

そんな心配な部分もあるけど、「破綻した街を救え!」というサブタイトルを見ていると、これからの展開で、ゲンさん達が様々な妨害に屈する事なく、地元住民達と協力して破綻した夕波市の復興に力を貸す展開も望めるのでは、と期待しています(破綻した街の復興なんて、「次へ進むための解体」を目指す五友爆破らしくていいじゃないですか……と言うより、絶対にその線でストーリーを進めて欲しい、とシナリオ担当の星野茂樹先生にお願いしたいです)。

さて、今回のプロジェクトでは、爆破解体現場の映像化権の販売先としてジョージ富田率いるダイナメンション・インクの協力が必要な為、ゲンさんは彼に対して頭を下げる事になった訳ですが、前回の「さくらWALK建設事業計画」編と比べてみても、ゲンさんのジョージ・アレルギーは全く治っていないどころか更に悪化している気がします(今回ゲンさんは「やなこったい! あいつに頭を下げるくらいなら この計画は白紙に戻すぜっ」なんて言ってるし……)。

しかも、慶子さんの話から、今回の仕事では五友爆破が元請けでダイナメンションは下請けの位置付けになると知った途端に、「おまえたちはわかってねえんだよっ オレがこの日をどれだけ待ってたかっ」と言っていきなり高笑いし、「いつの日かアイツに仕事を発注して高笑いしてやると心に決めてたんだっ まさかこんなに早くその日が訪れるとはなっ」と続けて慶子さんと秀美に「バカみたいっ」「男ってホントにつまらないことに見えを張るんですよね…?」と呆れられてしまうのだから、ジョージに対するゲンさんの対抗心の子供っぽさには本当に笑えて来ます(この後、「さて もうちょっと練習しとくか」と高笑いを続けているゲンさんが、塀の上にいる猫にジーッと見つめられて我に返り、「仕方ねえ 行ってやらあ」と独りごちる後ろ姿で更に大笑いしてしまった)。

そんな子供っぽいゲンさんとは対照的に、今回の仕事の価値をどれだけ理解しているかゲンさん達に訊ねたり、モニター映像を交えて本物の爆破解体映像が持つ価値について説明するジョージは、爆破解体に対するスタンスは違えど、やはり経験を積んだ大人の風格を感じました。
さすが、爆破解体をエンタテインメントの一つとして捉えているだけあって、6ページに亘っての説明には説得力があり、この部分だけを見ても、爆破解体技師として、まだまだゲンさんは彼には敵わないのかな、と考えてしまった。
そんな大人のジョージさんですが、ゲンさんに対して「もっともおまえはただ黙々と作業をこなせばいい 私の優秀な部下が細かな段取りはすべて行うからなっ」と高笑いする所では、やっぱりいつもの彼だったな、と安心しました(先を越されたゲンさんが「あっ! テメエまた先に笑いやがって!? オレだって負けねえぞっ!」と高笑いして返す所は、何とも言えず気まずい気分になったが。何というか今回のジョージに対するゲンさんはカッコ悪過ぎ……トホホ)。

最後に、久々の登場となったゴンが、自分も北海道へ連れて行ってもらえると思って「ホッカイドウはデッカイド~~」(古い……)と浮かれて「ゲ~ンさん 出発日はもう決まりましたかいな?」とゲンさんに訊いたら「言っとくけど おまえは連れていかないぞっ!」「(ゴンの『えっ!なんで!?』という言葉に)なんでもくそもあるか… 今回は少数精鋭で行くんだ おまえと遊んでる暇はねえんだよっ」と返されて、「んなアホなっ!? 北海道といえば笹原権二… 炭鉱工事といえば笹原権二… 炭鉱でワイほど役に立つ男はおりまへんで!!」などと懸命にアピールして北海道行きのメンバーに入れてもらえた場面は、二人のやり取りが面白くて一番気に入りました。
今回のゴンのアピールを全て信じるとすれば、北海道の現場では、彼がこの作品に登場してから初めて、爆破解体関連で役に立つ場面が見られるかもしれない、と期待しています(まさか、ゲンさんが釘を刺していたように、北海道に着いた途端に何処かに消えてサボったりはしないだろうな……)。

さて次回は(というか今週発売の号では)、五友爆破に対しての陰湿な妨害工作がいよいよ行われるらしい(まさか、今度も導入部的な内容になるなんて事はないでしょうな……)。

たとえどんな事があっても、負けないで、ゲンさん達っ!!

それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
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飼い猫の「わく」ちゃんです。
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