2007.11.03.Sat / 12:22 
先月から何度も「観に行く」と言いながら、なかなか映画「ヘアスプレー」を観に行けませんでしたが、ようやく今朝、天気も気分も良かったので、大垣コロナワールドまで朝8時20分の上映を観に行って来ました。

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舞台ミュージカル版は残念ながら未見なので(今年の夏に東京と大阪で来日公演が行われたが、今年は「くたばれ!ヤンキース」を観に行ったので他の作品を観に行く予算が作れなかった)映画版だけでの印象になるけど、人種差別という下手に扱ったら洒落じゃ済まなくなるようなテーマをストレートに織り込みながらも、エンタテインメントとして成立させているのには素直に感心しました(あらかじめ少しは予備知識を仕入れていたけど、これだけ巧みに描いているとは思わなかった)。

フィクションだから成立するのかもしれないけど、主人公のトレーシーが「楽しそうだから」と自然に黒人のダンスに加わって仲間になったり、彼らが抱える人種差別への怒りを共有して行く心境の流れや、ラストの「肌の色なんか関係ない、差別なんて馬鹿らしい、楽しく踊れば最高」というようなノリノリのダンスシーンは、本当に素晴らしいと思いました。

……こうやって書くと、作品に流れるテーマばかりに気を取られていたかのように思われそうですが、もちろん私はミュージカルファンなので、作中のナンバーにもすっかり魅せられました。

ファーストシーン、ボルチモアの町並みから幾つかのカットを経て、目覚めたトレーシーが"GOOD MORNING BALTIMORE"を歌いながら登校する場面で「掴みはオッケー」という気分になったり(ミュージカルのファーストナンバーはやっぱりこうじゃなくちゃ!!)、"I CAN HEAR THE BELLS"を歌うトレーシーが、幸せな気分からゆっくりと現実に戻って行くナンバーの結びの見せ方の上手さに感心したり(幸せな気分のままの歌詞と、窓の外を見ているトレーシーの表情の対比が上手いと思った)、トレーシーの両親が歌い踊る"(YOU'RE)TIMELESS TO ME"の歌詞の比喩の面白さや"WITHOUT LOVE"で、警察に追われるトレーシーを想い歌うリンクが手にしている写真立ての中のトレーシーの写真も一緒に歌っているのに笑ったり、"WELCOME TO THE 60'S"で、前向きに生きている娘の姿に感化されたママが華麗に変身して行くくだりに感激したりと、「これぞ、ミュージカル」という楽しさを存分に味わいました(ここに挙げなかったナンバーもホントに良かったですよ!!)。

また作品テーマの話に戻るが、この作品の凄い所は、「差別」という概念のない、一般的に見て不自由な容姿(本人は全く気にしていないようだが)の主人公が、大好きなダンスを通じて友達になった黒人達の抱える「差別」という現実への憤りを共有し、持ち前の前向きさで彼等と共にそんな現実に立ち向かって行くというテーマ(原作映画が「伝説的カルトムービー」と言われているから、ストーリーを知る前は、もっとキワモノっぽい内容だと思い込んでいた)を、現実とファンタジーを巧みに織り交ぜたストーリー(そして本作はミュージカルなのでノリのいい音楽も加わる)で描いた所だと思ったので、現実はどうあれ、こういう作品を生み出せるアメリカは、やっぱり奥が深いと感じました(こういう内容を日本で真似しようとしても、テーマを打ち出し過ぎてお説教臭い作品になるか、テーマに真剣に向かわずアクセサリー程度に扱うような作品になりそうなんだよな……)。

とりとめがなくなって来たのでこれで終わりますが、最後に一つ。
ラストの「ミス・ヘアスプレー・コンテスト」に間に合ったトレーシーのヘアスタイルが違うのは、警察に見つからないように変装する意味だけでなく、彼女自身の心境の変化もあったんですよね?(確かその前の場面でそれを示す台詞があった筈)

思った以上に良かったので(個人的には「プロデューサーズ」「シカゴ」よりも良かった)公開期間中にあと一、二度は観に行きたいぞ!!(今度はレイトショーで観ようかな)

それでは。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
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飼い猫の「わく」ちゃんです。
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