2008.01.14.Mon / 20:09 
さあ、今年初めて発売の「週漫」巻頭になったゲンさん(『解体屋(こわしや)ゲン』)。
ちょっと遅れましたが、2008年に入って最初の感想を始めましょう。
今年も、このゲンさん感想をどうぞ宜しくお願いいたします。

それではいつものように「▽Open more.」を開いて下さいね。
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『解体屋ゲン』
第257話「駅前再開発(前編)」
(ストーリー)

ある民家の解体現場では、ゲンさんが力いっぱい汗を流しながらハンマーで基礎のコンクリートを叩き壊している。
そして一方、線路沿いにある工事予定地らしい塀に囲まれた国有地の入り口では、秀美が新しく手掛けるらしい仕事への決意を固めている。

翌日、五友爆破の事務所では、ゲンさんと慶子さんが、訪ねて来た秀美から駅前開発の都市計画についての話を聴いている。
そういうのは行政の仕事だろう、というゲンさんは、秀美から「まちづくり委員会」のメンバーに加わって欲しいと頼まれたので、面倒な話は御免だと逃げ出そうとするが、慶子さんに捕まり話の続きを聴かされる。

仕方なく詳しい話を聴いていたゲンさんは、秀美の勤める会社が請け負った今回の駅前再開発事業の規模の大きさに関心を持つが、彼女が自分に求めている役割りが難航している住民との交渉のまとめ役だと知ると、その話を断ろうとする。
だが、今回の仕事がいつも「地域に愛される企業になるんだ」と言っているゲンさんの理想を実現する機会だという秀美と、地元企業との連携や役所との繋がりをもつチャンスだという慶子さんに押し切られ、仕方なく今回の仕事を引き受ける。

そしてゲンさんは秀美と共に今回の駅前再開発事業を担当する中根区役所へ出向き、まちづくり担当課長・亀山と面会する。
交渉疲れの為かかなり憔悴している様子の亀山は、二人に挨拶すると、住民との交渉の経過について訪ねる秀美に、商店街と住民の代表者が「まちづくり委員会」からの脱退の申し入れがあった事を告げる。

それを聞いた二人は、亀山と共に商店街と住民の代表と面会し事情を訊ねるが、彼等は商店のテナント料や公園などに関する当初の条件を一方的に変更した開発業者に腹を立てており、取り付く島もない。

三人は、今回の事業を担当する開発業者に出向くが、面会した不動産デベロッパーは、原油価格の高騰等によるコストアップの為に、当初の試算では開発計画そのものが不成立になる事、そして不景気にもかかわらず地価が上昇している事などの問題を挙げる。
それを聴いたゲンさんは、いっその事再開発自体中止したらどうだ、と言うが、既に土地の取得済みで開発が遅れる間に支払いの赤字や土地の利息が発生している事を危惧する秀美達から責められ、慌ててその言葉を取り消す。

その晩ゲンさんは、慶子さんに膠着してしまっている交渉の現状について話す。
慶子さんは、再開発の原案が出来た三年前と現在の状況が違う事を理解しながら、それでも家賃の値上げや公園の縮小は地元にとっては深刻な問題だと言い、ゲンさんはどちらの側に付くのかと訊く。
ゲンさんは、自分が求められたのは話のまとめ役であって、どちらかの側に付かなければならないのか、と問い返すが、慶子さんは、今回の件で自治体、商店街、住民、開発業者がそれぞれ自分の立場で発言しているのだから、ゲンさんも自分の立場をはっきりさせないと信頼されないのでは、という。

それを聴いたゲンさんは、だからこんな面倒な役目は引き受けたくなかった、と言うが、ふと食器棚につかまり立ちしている鉄太くんの様子に眼を止める。
慶子さんから、鉄太くんがそろそろつかまり立ちを卒業して一人で歩きたがっている事を聴いたゲンさんは、食器棚から少し離れた所に腰を下ろし、鉄太くんに向かって「こっちにこい! お父ちゃんが受け止めてやるぞ」と言って手を差し伸べる。

鉄太くんは、そのゲンさんの言葉を聴くと、ゆっくりと食器棚から手を離し、覚束ない足取りながらもゆっくりとゲンさんの方に向かって歩いて行き、我が子の初めての歩みにゲンさんと慶子さんは感激している。
そしてゲンさんは、自分が腰を下ろしている場所まであと少しという所で倒れそうになった鉄太くんを受け止め、その頑張りを褒めるが、慶子さんの「最初の一歩がなかなか出なかったのよね」という言葉を聴いて、何やら考え込む。

(次号に続く)

(感想)

2008年最初の、しかも巻頭を飾ったゲンさんですが、冒頭の現場でハンマーを力一杯振るうゲンさんの姿を見て、「今年も快調に飛ばしてくれそうだな」とワクワクしました。
今年は去年以上に大事業への参加が増えると思いますが(今回のエピソードも駅前再開発という大事業がらみだし)、こういうゲンさん達にとっての原点である「町の解体屋(こわしや)」としての仕事の場面をこれからも大事にしてくれる事を願います。

力一杯汗を流して働くゲンさんとトシさんに対して、「折角の化粧が台無しになるから」とか、「汗で体が冷えて風邪でもひいたら」とか言って仕事で汗を流したがらない光とヒデには、呆れるより先に笑いましたが、この場面のやり取りが、後の場面に繋がるとは思いませんでした(秀美に「まちづくり委員会」で皆のまとめ役をして欲しいと頼まれたゲンさんが「オレは現場で汗を流すのは好きだけど会議で冷や汗を流すのは大嫌いなんだよっ!!」と言っている)。

そんな「会議で冷や汗を流すのは大嫌い」なゲンさんが、秀美の勤める会社が請け負った駅前再開発事業に関する「まちづくり委員会」への参加を頼まれた訳だけど(ここで「そういう面倒くさい話はごめんだぜ…」と逃げようとして、慶子さんにズボンのベルトを掴まれてソファに押し戻されるゲンさんの姿が可愛らしかった)、早速問題山積のようですね。

それにしても、今回のエピソードのメインストーリーであり、慶子さんと秀美の会話にも出て来る商店街の再開発問題は、私も当事者ではないものの、フィクションを離れて実感しています。
何故かというと、私の住む大垣市とその周辺は街の規模に比べて大型スーパーやショッピングモールが多く(昨年は春に「イオン大垣ショッピングセンター」、秋に「アクアウォーク大垣」がオープン)、その反面、駅前商店街は今回慶子さんが言ったような「シャッター商店街」になってしまっているからです。

自分も普段の買い物はそういうショッピングモール等の大規模店舗で済ませているから(食品や日用品は近所のスーパーだが)人の事は言えないのだが、現在の駅前商店街の衰退について地元住民が、「大規模店舗の進出イコール善」「進出に反対する地元商店街イコール悪」と決め付けて、「こうなったのは自業自得」とでも言わんばかりに駅前商店街を非難する言説を厭というほど見て来たので(一時期の誰かさんのように、「カイカク」と何とかの一つ覚えのようにがなり立てて反論する相手を「抵抗勢力」呼ばわりした遣り口そのまま)、今回のゲンさんがどうやって膠着した行政・開発業者と商店街・住民との間を取り持ってより良い方向へと進めて行くのか、本当に次回の展開に興味があります。

さて、話は変わりますが、今回は鉄太くんが初めてつかまり立ちを卒業した記念の回であります。
私は独身ですが、我が子の成長を喜ぶゲンさんと慶子さんの姿を見ていると、「我が子の成長を見守る親の姿はいいなあ」と心が温かくなりました。
そしてゲンさんは慶子さんの「よかったわねテッちゃん! 最初の一歩がなかなか出なかったのよねェ~」という言葉から、事態打開への糸口になるであろうヒントを掴んだようなので、次回の展開で、ゲンさんがどんな「最初の一歩」を踏み出すのか、本当に楽しみです。

ところで、鉄太くんの着ているパジャマに使われている、なると巻きみたいな柄のトーンって、第200話「赤ちゃん誕生!」のラストで慶子さんが着ていたパジャマとお揃いで嬉しいけど、第135話「サバイバル4」のヒデの海パンともお揃いの柄なんですよね……(って細かいなあ、自分。念の為言うけど別に「悪い」とは言ってないですよ!!面白くて好きな柄だし)

さて次回は、予告煽りによるとゲンさんが暗雲立ちこめる駅前再開発プロジェクトをまとめる為に渋々会議に出席するらしいが、果たしてどんな「最初の一歩」を踏み出してくれるかお手並み拝見と参りましょう(昨年の第214話「早い春(後編)」みたいな展開にだけはならないで欲しいのだが……)。

それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに。

「サバイバル4」のタイトル後の数字は、実際は丸の中に4です。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
好きな数字・7の倍数

飼い猫の「わく」ちゃんです。
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