2008.12.15.Mon / 20:05 
……うーん、今回のゲンさん(『解体屋(こわしや)ゲン』)感想ですが、いい記事タイトル(「『解体屋ゲン』第xxx話感想」の前の部分)が思い浮かびませんでした(最初は「ボンサイ、バンザイ!」という言葉が頭に浮かんだが、さすがにこれを記事タイトルにしたら、元々無いセンスを更に疑われそうなので取り止めました……)。

まあ、それはさておき今回のゲンさん感想とまいりましょうか。

gen-san_and_yukidaruma-photo01_R.jpg
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『解体屋ゲン』
第305話「ボンサイ緑化」
(ストーリー)

五友爆破の事務所では、ゲンさん、慶子さん、河島博士、イチさんの四人が緑化事業の植物について話し合っているが、イチさんは、折角の提案を慶子さんとゲンさんが取り合ってくれないので、面白くないといった様子で腕組みしながらそっぽを向く。

家に帰ってからも腹立ちが治まらないイチさんは、ゲンさん達が緑化用の植物に関してシダとかコケばかり検討し、彼の得意分野である盆栽について話題にもしないと怒っているが、彼等に盆栽の素晴らしさを認めさせようと何かを思い付く。

翌日イチさんは、丹精込めた盆栽を一鉢事務所に持ち込むとテーブルの上に置き、この見事な枝振りを見ればゲンさん達も盆栽の素晴らしさを認めるだろうという意味の事を言う。
だが、出勤して来たゲンさん、慶子さん、有華の三人は、誇らしげなイチさんとは裏腹に、戸惑った様子で盆栽を見ると、お愛想程度に褒めるだけだった。
しかも、これからジョージとリサが緑化事業の打ち合わせに来るからと、ゲンさんがイチさんに盆栽をテーブルから退けるように言った為、ついに彼はお前には二度と頼まないと腹を立ててしまう。

そこに追い打ちを掛けるように、ヒデと光が盆栽を見て余計な事を言ってイチさんを更に怒らせ、ゲンさんも事態をややこしくした二人を怒鳴り付けるが、続いて打ち合わせの為にジョージと共に入って来たリサは、盆栽を見ると感嘆の声を上げる。
外国人女性であるリサが盆栽に興味を持っているらしいと気付いたイチさんが、彼女に盆栽が好きなのかと訊くと、彼女は日本文化の粋(いき)が詰まったアートである盆栽が好きだと答え、海外のデパートには必ずボンサイ売り場があるという事、特にヨーロッパでのボンサイ人気が凄い事をイチさんに教える。
そしてジョージも、それが本当なのかと訊くゲンさんに、先入観を持たない外国人の眼から見たボンサイの魅力と評価を語る。

すっかり気を良くしたイチさんは、盆栽の良さを解っているリサとすっかり意気投合して語り合うと同時に、ゲンさん達を軽蔑の眼で見る。
すると有華と光は、リサとジョージの言葉に感化されたのか、一転してイチさんの盆栽を褒め始め、そんな単純な二人を見たゲンさんは呆れる。
彼等のやり取りを聴いた慶子さんは、リサの言葉にも一理あるが、盆栽に対する一般的なイメージは良くないから、それを何とかしないと緑化事業への導入は難しいと言い、ヒデと光も、イメージ以前に盆栽なんてよく知らない、せいぜい老人の趣味という感じだと言う。
それを聴いたリサは、それなら今から盆栽市を観に行かないかと提案し、彼等はある神社の境内らしき場所で開かれている盆栽市に出掛ける。

場内に並べられた盆栽を見ながら、イチさんとリサは話が弾んでいる。
光は、手頃な大きさの盆栽の鉢を手にして、自分も盆栽を始めてみようかという意味の事を言うが、驚いた顔でヒデが値札を指さすのを見て、その盆栽が五万七千円もすると知って驚く。
驚く光にイチさんは、その盆栽は小さいが見事に根が張っているから二十年は丹精込めて育てられた物だろうと言い、これはとても手が出ないと言う光に、まずは小さくて安い苗から育ててみる事だと言って苗木の鉢が売られている方を示し、光もその中の一つの値札を見て、この価格なら自分にも買えると言って鉢を手にする。

腕組みしながら盆栽を眺めているゲンさんは、慶子さんと、鉢の中で世界が完結する盆栽は河島博士の進める緑化の草原というイメージとは相容れないという意味の事を語り合っていたが、ようやくどの苗を買うか決めた光が手にしている鉢の苗木を見て何か閃いたらしく、一寸貸してみろと言って彼女の手から鉢を奪い取ると空いている台の上に置き、地面に敷かれているシートを剥ぎ取り、鉢を隠すようにそのシートを台の前に広げてみせる。
その様子を見た光はゲンさんが何をしているのか解らなかったが、リサはそれを見て、シートで作った丘の上に木が一本生えているように見立てたのだと気付く。

そして後日、ゲンさんは皆を緑化作業が終わったあるビルの屋上に連れて行く。
そこに、ゲンさんが注文したトレーを手にした河島博士と、盆栽の鉢を手にしたイチさんが現れる。
二人が来たのに気付いたゲンさんは、足元に植えられた植栽マットの一つを剥がすと河島博士のトレーを代りに置き、イチさんにトレーの中に盆栽を植え替えるように言う。

ゲンさんは、盆栽が周囲に溶け込まないのは鉢という枠組みが周囲に境界線を張っていたからで、こうして植え替える事で周囲に同化させる事が出来るという意味の事を言う。
作業が終わった屋上を見ると、ゲンさんの言う通り植え替えられた盆栽が植栽マットの植物に溶け込み、まるで草原の中に木が生えているように見える。

その様子を見た光は感心し、イチさんも鉢ではなく屋上を小さな自然に見立てろという事なのかと納得する。
ゲンさんは、盆栽の魅力と緑化事業の良い解決法に気付かせてくれたリサにお礼を言い、彼女はボンサイの魅力のお陰だと謙遜する。
そしてゲンさんは、今回の事は、日本人がもう少し自分達の歴史や伝統を大切にするべきだという勉強になったと言う。


(感想)
今回は、何と言ってもリサさん大活躍の一篇でした。

ジョージがダイナメンションにいた頃のリサは、あまり目立った感じのキャラクターではなかったけど(第190話「特殊制御爆破(中編)」で、「私もミスター・ゲンくらい腹を丸くくくれれば…」と言って、太鼓腹を気にしているゲンさんに「丸くは余計だろっ!! オマエら絶対わざとだろ!?」と言われていたのが印象に残るくらいか)、今年に入って第269話「負け犬たちの闘い(前編)」で彼女の過去やジョージとの出会いが語られてからは、それまでの「ジョージの秘書」というだけの印象とは違ってキャラクターが生き生きとして来たように思います。

そんな彼女が、盆栽を巡って険悪になりそうだったゲンさん達とイチさんの間を取り持つと同時に、なかなか緑化事業に取り入れる事の出来なかった(ゆえにイチさんが腕を振るう機会が全くなかった)盆栽を活かすヒントを与えたのだから、本当に彼女は今回一番の功労者と言えるでしょう。

これから更に、五友爆破とサンシェルターホーム(リフォーム)は緑化事業で協力関係を深めて行くでしょうから、これからもっと彼女の活躍が増える事を期待しています。


さて、話は変わりますが、今回前半のイチさんは少し気の毒でしたね。

緑化事業について話し合っていた時も、ゲンさんの「一年中新緑の自然なんてないだろ?」という言葉を受けて「それだよ! 山もみじなんてどうだ? 秋になりゃそりゃきれいなもんだぜ!」と提案したら慶子さんに「そうね…… でも今は来期の植栽マット用の植物の選定だから ちょっと待ってね」と言われちゃうし、折角自信を持って丹精込めた盆栽を持って行けば、ゲンさんに「悪いんだけどさ その盆栽をとりあえずあっちに移動してくれねえか?」なんて言われちゃうしと(まあ、これは打ち合わせにテーブルを使うから仕方ないけどさ)、本当に散々な目に遭ってましたね(しかもその後、光が「なあにこれ? 今どきこんな盆栽はやらないわよ」、ヒデが「ちょっとアナクロな感じだよね」と追い打ちを掛けるし)。

でも、その直後に現れたリサが「オウ! ボンサイですね!」「ミゴトな模様木※1ですね 左右のバランスといい こけ順※2の素直さといい すばらしいです!」と褒めたのを切っ掛けに、彼女と話が弾んで気を取り直して行ったので、ほっとしました。

そしてゲンさんも、これまで緑化事業における盆栽の位置付けに苦慮していたようだけど、リサの提案で観に行った盆栽市で、光が手にした苗木の鉢を見た事で、盆栽が周囲の植物に溶け込まなかった理由に気付き、ある意味大胆な方法で盆栽を緑化用の植物に溶け込ませたのだから、発想の転換というのは大事だと思いました。

ところで、盆栽の事は良く知らないけど、こうやって植え替えても、剪定の手を抜かなければ枯れたりする心配はないんですよね?(それが少し気になった)


そんな今回のメインテーマとも言うべき盆栽(上のストーリー詳細では、作中の表記に従って「盆栽」「ボンサイ」と書き分けた)についてもっと語れればいいのですが、何しろ自分の盆栽に対する知識や理解は今回のヒデと光の二人と殆ど変わらないので(リサとジョージの二人が語る、外国人の眼から見たボンサイの魅力や、海外でのボンサイに対する評価などに興味が湧いたけど)、興味のある方は各自検索して調べてみて下さい。

それと、盆栽に興味を持った方の為に、ストーリー詳細を纏めている最中に「盆栽市」について調べようとGoogle検索した時に見付けたサイトを紹介します。

「日本盆栽net倶楽部」
http://tsudabonsai.at.infoseek.co.jp/index.htm


それでは最後になりますが、今回ラストのゲンさんの台詞にある「今回のことで勉強になったよ 日本人はもう少し自分たちの歴史や伝統を大切にするべきなんだって……」という言葉には、ふと考えさせられました。

確かに、「愛国心」という言葉が一人歩きしている現在の世の中で、本当に自国の歴史や伝統に対して理解している人がどれだけいるのかと問われたら、何とも言えないですものね……(自分も、日本の風土や文化が好きだと言いながら、そんなに深く理解していないと自覚しています)


さて次回は、予告煽りによると、クリスマスイブにゲンさんの夢に何か(それとも誰か?)が現れるらしい。

予告煽りで思い出したが、第303話掲載の「週漫」12月12日号の予告煽りから次回のサブタイトルが書かれるようになったけど、その分内容の紹介が薄くなったような気がするので、以前の状態に戻して欲しいな(まあ、以前の予告煽りの文章も実際の内容を上手く伝えていたとは言い難いけど)。

それと今回は、雑誌の左ページ柱だけでなく右ページ柱にも変なインクの汚れが目立ったのが残念だった(変な漫画の広告タイトルを見たくないから左ページを読む時は汚れが視界に入らないよう神経を遣っているのに、これからは右ページを読む時までも神経を遣わなきゃなんないのかよ……)。

それでは、次回のゲンさん感想をお楽しみに。


※1.「週漫」本誌69ページ柱の解説によると、幹が左右に曲線を描くように曲がっている木の事だそうだ。
※2.同解説によると、幹が根元から樹冠(じゅかん。「現代林業電子辞典(林業Wiki)」 http://www.j-fic.com/workbench/glossary/index.php/ というサイトの解説によると、樹木の枝と葉の集まりの事らしい)へ順に細くなっている状態の事だそうだ。
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プロフィール

須藤泰昭(すどやん)

Author:須藤泰昭(すどやん)
岐阜県西濃地方在住。
1970年生まれ。
趣味・テレビ番組の録画
    映画の廉価盤DVD収集
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飼い猫の「わく」ちゃんです。
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